はじめに
ソフトウェア業界はいろいろな特徴を持っています。その特徴の1つに、競争の激しさがあります。先日、Google社はChromeというブラウザを発表しました。発表したからには、先行する他のブラウザのシェアを奪い、多くのユーザーを獲得しなければなりません。Chrome開発チームは、ベンチマークテスト結果などを公表しながら、自分たちのブラウザの優秀さを売り込みに出ています。ブラウザ競争は当然激しさを増します。
ところで、既存ブラウザの開発チームは公開されるベンチマークテスト結果などを黙ってみているのでしょうか。その胸の内はどのようなものなのでしょうか。Chrome開発チームが公開するテスト結果は、既存ブラウザの、例えば、処理速度が遅い、などの相対値を示しているはずです。筆者は既存ブラウザ開発者たちの胸の内が大変気になります。心穏やかならず、といったところでしょう。反論もしたいところでしょう。激昂している人もいるかもしれません。C++を設計・実装したStroustrup氏も同じような経験をしています。
今回の質問意図
Stroustrup氏は強烈な個性を持った人です。同氏は、自分が設計・実装したC++に関して、"それは自分の世界観の表現である!"、と公言してはばかりません。この言葉には、C++への限りない愛情と断固たる自信が示されています。
私たちは現在、Perl、PHP、Java、あるいは、C#といった多くのプログラミング言語を利用できます。プログラミング言語の選択・採用権は、言語の設計者側の希望や期待ではなく、あくまでもソフトウェア開発者側にあります。この10年間ほどは大規模Webアプリケーション案件が増え、その過程ではC/C++離れが進んだといわれます。ところが最近、C++を採用する開発者の数が増えているという情報を目にしました(参照ページ:The Programming Languages Beacon September 2008 )。実際のところはどうなのでしょうか。C++を設計した本人はどのような気持ちでいるのでしょうか。また、増えているとすれば、その原因はどこにあるのでしょうか。お尋ねしました。