Stroustrup氏の回答2: 開発者は自分の能力に応じた言語と仕事を求めるものだ
I do not know if C++ attracts users from the Web world. It should attract some as they have to deal with issues of scale (and some of the most prominent Web applications are written using C++), but my impression is that many don't have the background to appreciate the sources of C++'s success or to understand why it differs from a scripting language in pretty fundamental ways. Conversely, C++ should loose programmers to the web applications languages because some applications that used to need C++ now can be written in less general languages. In those cases, C++ developers have been known to seek out new systems programming tasks, rather than to stay with the application. I think that - given a choice - people tend to seek out languages and tasks that suit their talents.
C++がWebの世界からユーザーを引き付けているかどうかは、はっきりしません。もちろん、スケール問題を処理する必要性から、C++に引き付けられた開発者もいるでしょう。著名なWebアプリケーションのいくつかはC++で記述されています。ただ、これは私の印象ですが、C++成功の意味を評価したり、スクリプティング言語とC++の間にある根本的な相違点を理解したりするために必要な背景知識を持っている人は、それほど多くはないはずです。
C++からWebアプリケーションに移っていった人もいるはずです。C++を必要としていたアプリケーションの中には、(汎用性を削って完成させた)特定用途向けの言語で記述できるようになっているものもあります。汎用性に乏しい言語で事足りる場合、C++開発者はその分野にとどまるのではなく、新しいシステムプログラミング領域を切り開いているようです。選択の余地があれば、自分の能力に応じた言語と仕事を探し出す。これは一般的な傾向ではないでしょうか。
対話のポイント
Stroustrup氏は20年以上に渡り、C++国際標準化委員会活動を通して、C++の発展と改善に努力してきました。この過程では、いろいろな苦い経験もされているようです。時には、他の言語の信奉者からの誹謗中傷や偏見に満ちたC++批判に苦しめられたこともあるようです。同氏はC++言語設計者としての高いプライドを持っているだけに、悔しさのあまり熟睡できない日々も続いたことでしょう。今回の回答を読んでみると、自分の感情を抑えながら、終始、正論を唱えようとしています。「かなり抑えているな」というのが筆者の率直な感想です。
冒頭で述べましたように、ソフトウェア業界は激しく競争を繰り広げることで知られています。「C++を2年以内に葬り去ろう」とするSunの宣言には、業界内競争に勝ち抜く、並々ならぬ決意が読み取れます。Stroustrup氏は、当時を振り返りながら、押さえ気味に批判すると共に「ソフトウェアとは何か?」と、私たちに問いかけているようです。筆者の拙訳と原文を読み比べながら、自分なりの回答を探していただけると幸いです。
次回からは、次期C++仕様である「C++0x」についてお伺いする予定です。お楽しみに。

