SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

CurlデベロッパーセンターPick Up(AD)

Curl Apps Galleryで注目を集める「見積デモ」を紐解く
~ドラッグ&ドロップ~

第2回

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ダウンロード サンプルソース (1.6 KB)

サンプルの実装解説

 さて、見積デモのドラッグ&ドロップ機能を見ていきましょう。

 見積デモではリストの一覧から項目をドラッグすると、グリッド上にデータが表示されるようになっています。このうち、まずは画面左側のListBoxに注目します。ListBoxは複数の項目から任意の項目を選択するというものですが、今回はこの選択した項目がドラッグできるようにします。項目はListValueItemというクラスによって実装されているので、このListValueItemに対してドラッグ機能を追加します。

見積デモのリスト
見積デモのリスト
{let lb:ListBox = {ListBox width = 100pt,height = 300pt}}

{do
    ||ListBoxにアイテムを追加します。
    {for record:Record in goods-list do
        let new-item:ListValueItem =
            {ListValueItem
                record,
                label = record["name"]
            }

        ||ListValueItemをドラッグするために
        ||drageeを設定します。
        set new-item.dragee = {ImageDragee}
        
        {lb.append new-item}
    }
}

 これで選択した商品がドラッグできるようになりました。

 次に、RecordGridの方にも処理を実装します。RecordGridはグラフィックをドロップされる側なので、ドロップ時に発生するイベントを実装します。

{let rg:RecordGrid =
    {RecordGrid
        width = 500pt,
        height = 300pt,
        record-source = list,
        ||RecordGridにドラッグされたときのイベント
        ||(DragOver)を追加します。
        {on e:DragOver do
            {e.will-accept-drop?
                {proc  {t:Type,x:Distance,y:Distance,effect:#DragEffect}:DragEffect
                    {return
                        ||ここでは、ListValueItemが来たときのみドラッグを許容します。
                        ||それ以外のオブジェクトについてはドラッグすることが出来ないようにします。
                        {if {t.subtype-of? ListValueItem}
                         then
                            drag-effect-copy
                         else
                            drag-effect-none
                        }
                    }
                }
            }
        },
        ||RecordGridにドロップしたときのイベント
        ||(Drop)を追加します。
        {on e:Drop do
            {e.accept-drop
                {proc  {obj:any,x:Distance,y:Distance,effect:#DragEffect}:DropResult
                    
                    {if not obj isa ListValueItem
                     then
                        {return {DropResultNone}}
                    }

                    let item:ListValueItem = obj asa ListValueItem
                    let goods-record:Record = item.value asa Record

                    ||現在表示されているレコードと突合せを行います。
                    ||Codeがドロップした商品のIDと等しい項目があるかどうかで
                    ||処理が分岐します。
                    {if-non-null list-record:Record =
                        {list.select-one
                            filter = {RecordData Code = goods-record["id"]}
                        }
                     then
                        ||レコードが存在する場合は、個数と小計の更新を行います。
                        let count:int = list-record["Count"] asa int
                        let price:int = list-record["Price"] asa int
                        set list-record["Count"] = count + 1
                        set list-record["Subtotal"] = (count + 1) * price
                     else
                        ||レコードが存在しない場合は、新規にレコードを追加します。
                        {list.append
                            {RecordData
                                Code = goods-record["id"],
                                Name = goods-record["name"],
                                Price = goods-record["price"],
                                Count = 1,
                                Subtotal = goods-record["price"]
                                
                            }
                        }
                    }
                    {return {DropResultNone}}
                }
            }
        }
    }
}

 グリッドにDragOverとDropイベントを記述することによって、RecordGridは初めてドラッグされてきたグラフィックを受けつけることができます。これを実際に起動すると、次の図のようなアプリケーションが実行されます。実際のサンプルについては添付のソースを参照してください。なお、Developer Centerではこれ以外にもさまざまなサンプルが紹介されています。

起動すると次のようなアプリケーションが実行される
起動すると次のようなアプリケーションが実行される

ドラッグ&ドロップの利点

 ドラッグ&ドロップの実装方法について理解いただけましたでしょうか? ドラッグ&ドロップを実装することのメリットは、直感的な操作が行えるようになることで、コンピュータの利用に慣れていない初心者でも分かりやすいUIを提供できることにあります。新規システムを構築する際にはぜひ検討してみてください。

 次回は、印刷の機能について詳しく見ていきます。

この記事は参考になりましたか?

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
CurlデベロッパーセンターPick Up連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

株式会社カール 宮崎 直人(カブシキガイシャカールミヤザキナオト)

リッチクライアント言語『Curl』の普及に努め、自社主催のセミナーの講師や導入コンサルタントなどを担当。現在はマーケティングにも携わり、HPの更新やコンテンツの拡充なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/3669 2009/03/24 10:31

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング