便利なサービス「PEAR」を活用してみよう
これまで3回に渡り、ECサイトのプログラミングを進めてきました。そろそろ、Webアプリケーションを作成する手順やプログラムのロジックの組み立て方などが、少し理解できてきたかと思います。
さて、プログラムの量も増えてきたので、今回の記事ではこれまで作成したプログラムのブラッシュアップを中心に進めていきます。まずはじめに、PEARと呼ばれるサービスに関して説明をします。
PEARとは?
PEAR(PHP Extension and Application Repository)とは、PHPで利用可能なライブラリを提供するサービスの名称です。「ライブラリ」とは一言でいうと、「よく使う機能を実現するための複数のプログラム群をひとまとめにしたもの」と考えてください。
「よく使う機能」とは具体的にどのようなものでしょうか。身近な例で言えば、検索エンジンの検索結果などで目にする「ページング機能」がその1つです。
例えば、上図のようなページング機能が実装されたWebページでは、1ページに10の検索結果が表示されているページの全体ページ数を求めるために
検索結果のレコード数を10で割り 余りがなければ、商がページ数 余りがあるなら、商+1がページ数
といった計算をしなければなりません。PEARのページング用ライブラリを使えば、このような計算を自動的に行ってくれます。
さまざまな機能を備えるPEARライブラリ
他にも、さまざまな機能を持ったライブラリがあります。いくつか紹介していきましょう。今回の連載で開発環境として使用しているXAMPPには、PEARでよく使用されるライブラリがあらかじめインストールされています。C:\xampp\php\PEARフォルダを開いてください。「adodb」「Archive」「Auth」など、多くのフォルダがあります。これらの各フォルダが、1つの機能を実装するためのライブラリです。
例えば、「Calendar」フォルダの中に入っているPHPファイルを読み込み、利用すれば、Webページ上に簡単にカレンダーを表示できます。また、「Pager」フォルダの中のPHPファイルを利用すれば、上述のページング機能を容易に実装できます。
その他にも、下記のような身近な機能を実装できるライブラリもそろっています。
Mail:メール送信を行うためのライブラリです。HTMLメール等にも対応しています。Smarty:HTMLとPHPを別々に記述することを手助けします。これを使用することで、画面デザインの変更が容易になり、デザイナーとプログラマーの分業がしやすくなります。こちらに関しては本連載の最後の方で説明する予定です。Spreadsheet:このライブラリを使用すれば、Excelファイルへの書き出しが可能になります。
なお、PEAR公式サイトの[packages]のメニューから、必要な機能に応じたライブラリを検索することができます。まだまだ、多くのライブラリがあるので(2009年7月9日時点では534種類)、興味を持った方は色々と探してみてはいかがでしょうか?
次のページでは、PEARの利用方法を具体的に見ていきましょう。
PHPのライブラリを提供するのは、PEAR以外にもさまざまなサービスがあります。また、XAMPPのPEARフォルダ内には、正確には、PEARには属さないライブラリも含まれています。興味をもった方は、「PEAR ライブラリ」などの検索キーワードで調べてみてはいかがでしょうか。


