マイクロソフトは13日に会見を開き、次期統合開発環境「Microsoft Visual Studio 2010」の提供スケジュールおよび日本における状況について説明した。開発者向けのラウンチイベント「Microsoft Visual Studio 2010 Ready Day」も同日開催された。
本日13日から、MSDN Subscription会員向けに「Microsoft Visual Studio 2010 英語版」のダウンロード提供が開始された。日本語版は同会員向けが4月20日、ボリュームライセンスが5月1日、パッケージ製品が6月18日からの提供となる。無償版の「Visual Studio 2010 Express 日本語版」は4月27日からダウンロード提供が開始される予定となっている。
マイクロソフトコーポレーション Visual Studioプロダクトマーケティング ディレクター Matt Carter氏は、Visual Studio 2010(以下VS2010)の開発コンセプトについて、単なる機能拡張だけでなく開発者のゴールを意識しながら、どうすれば創造力を発揮できるか、開発プロセスを簡略化し統合により最適化できるか、確かな品質をもったコードを実現するには何が必要かを考えて進めたと説明した。日本でのリリースについては、日本の創造力あふれるイノベーションに期待するほか、ソフトウェア開発をアートのように行う日本の開発者にとって、強化され利用しやすくなったチーム開発の機能は大変親和性があると信じていると述べ、「VS2010を活用して何ができるかを考え、どう世の中を変化させられるかをぜひフィードバックして欲しい」と日本の開発者への期待を寄せた。
マイクロソフト株式会社 デベロッパー&プラットフォーム統括本部 開発ツール製品部 部長 遠藤敦子氏はVS2010の特長として、新しいモデリング機能や開発効率向上による「創造力の最大化」、単一の開発環境で既存の開発技術を活かしながらさまざまなプラットフォーム向けのアプリケーションを開発できる「統合による最適化」、アーキテクチャ検証・コード分析・プロジェクト管理・テスト支援などによる「確かな品質」の3点を挙げた。特に「多くのプロジェクトでコストオーバーや工期遅れが発生している中、高い品質と生産性を実現するにはコーディングレベルだけでなく、プロジェクト運営レベルの取り組みが必要」と指摘し、VS2010が提供する設計・開発・テスト・管理といったALM(アプリケーションライフサイクルマネジメント)全般のサポートの優位性を強調した。
VS2010では製品構成がシンプルなものに一新され、Ultimate、Premium、Professionの3エディションに集約されたほか、その周囲に、プロジェクト管理の基盤となる「Visual Studio Team Foundation Server 2010」、テストの実施・管理を行う「Visual Studio Test Professional 2010」、EclipseやWindows以外のOSでの開発管理をサポートする「Visual Studio Team Explorer Everywhere 2010」、テスト環境の仮想化を行う「Visual Studio Lab Manager 2010」(こちらは2010年中のリリースを予定)が取り巻く形になっている。
価格体系については、チーム開発系のソリューションがVisual Studio Ultimate with MSDNに集約され、従来より若干上昇したほかは、これまでの価格体系が据え置きとなっている。特にチーム開発の機能がMSDN Subscriptionに標準で含まれ、パッケージ価格が従来の6分の1程度に値下げされるなど、以前のバージョンより利用しやすくなっているのが印象的だ。
また、Silverlight 4のランタイム・開発環境の提供が今週に開始予定であることも発表された。
【関連リンク】
・Microsoft Visual Studio 2010 オフィシャル サイト
・Microsoft Visual Studio 2010 Ready Day
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