Android女子部がAIR for Androidアプリ開発を体験
5月頭に試用版のダウンロードが開始され、いよいよ5月20日に発売となったアドビシステムズの提供する統合開発環境「Adobe Flash Builder 4.5」。新バージョンの目玉は何と言ってもAndroidアプリ開発に対応したことだろう。発売に先駆け、普段からAndroidアプリ開発を行っている開発者に、同製品での開発を体験してもらおうと、アドビシステムズ東京本社オフィス(東京・大崎)にて、同社のアプリケーション開発・実行環境を活用したAndroidアプリ開発を実体験できる講習会が開催された。
同講習会に生徒として参加したのは、「日本Androidの会 女子部」(以下、Android女子部)の面々。同部は、Androidのユーザーコミュニティー組織である「日本Androidの会」に所属する女性会員が集まり、女性ならではの視点からAndroidの普及活動や研究活動を行うことを目的に発足した部会だ。普段から業務でAndroidアプリの開発に従事する開発者やデザイナー、あるいは個人的な趣味でAndroidアプリの開発を楽しむ方など、部員それぞれが立場や興味に応じて同部の活動に関わっている。
講習会当日は、多忙な業務の合間を縫って6名のメンバーが参加した(うち2名は、遠隔地から電話会議を通じて参加)。どのメンバーも、普段から主にJavaの開発プラットフォーム上でAndroidアプリの開発をバリバリこなす、つわもの揃いだ。そんな彼女たちの目に、アドビのAndroidアプリ開発プラットフォームはどのように映ったのだろうか? 当日の様子をレポートしよう。
講習会に参加したAndroid女子部のみなさん
- あんざい ゆきさん
- 上條 芳美さん
- 田中 麻美さん
- 都築 博己さん
- 堤 明子さん
- 西岡 靖代さん
モバイル環境向けに大幅に機能が拡張されたFlexフレームワーク
講習会の講師は、アドビシステムズ マーケティング本部 ディベロッパーマーケティングスペシャリストの轟啓介氏が務めた。まずは同氏から参加者に対して、アドビが提供するアプリケーション実行環境「Adobe AIR for Android」(以下、AIR for Android)と、同環境で利用できるフレームワーク「Adobe Flex 4.5」(以下、Flex)、そしてその開発ツールである「Adobe Flash Builder 4.5」(以下、Flash Builder)について簡単なレクチャーが行われた。
アドビの開発ツールには、大きく分けて2系統のものが存在する。1つは、「Adobe Flash Professional」(以下、Flash Professional)を中心としたデザイン系のツール。もう1つが、Flash BuilderとFlexフレームワークの組み合わせを中心とした、データ系アプリケーションを開発する環境だ。今回の講習会では、後者の環境を使ったAndroidアプリの開発についてレクチャーが行われた。轟氏は、Flexフレームワークを用いたアプリケーション開発環境のメリットについて、次のように述べる。
「FlexフレームワークにはさまざまなコンポーネントやAPIが含まれているので、それらを活用しながら効率的にアプリケーションを組み上げることができます。一方のFlash Professionalは、極めて自由度の高いUIのデザインができる半面、プログラムロジックのほとんどの部分を自前で実装する必要があります。従って、Javaなどによる開発環境に慣れた方にとっては、FlexフレームワークとFlash Builderによる開発環境の方が、はるかになじみやすいでしょう」(轟氏)
Flexフレームワーク自体は、もともとはWebブラウザ内で動作するFlash Playerのコンテンツを開発・実行するために開発されたものだ。2008年にデスクトップ向け動作環境Adobe AIRが登場すると、AIRアプリケーションの開発にも利用できるようになった。さらに、2010年10月に発表されたAIR 2.5が、iOSに次いでAndroidをはじめとするモバイル端末、スマートTVに対応。 これを受け、Flexフレームワークも最新バージョンの4.5では、Androidアプリケーションの開発に対応。これに加えて2011年下半期には、2011年下半期にはiOSとBlackberry Tablet OSサポートが追加され、モバイルアプリケーション開発の強力なフレームワークに進化していく予定だ。轟氏は、このモバイル向け機能の中から、特に主だった特徴を3つ挙げて解説した。