Traffic Managerの準備
ここからは、Traffic Managerを実際に利用するための準備について説明します。
CTPへの申し込み
Traffic Managerは現在CTP提供中であるため、利用するためにはCTPプログラムへの申し込みが必要です。管理ポータルの[ベータプログラム]-[Traffic Manager]から申し込むことができます(図)。申し込み後、メールでの連絡とともに状態が「Active」になっていれば利用可能です。
ホステッドサービスの準備
Traffic Managerは複数のホステッドサービスにまたがったサービスに対してロードバランス機能を提供するため、検証には最低の2つのホステッドサービスが必要です。今回の検証では、東アジアと北中央アメリカのデータセンターにホステッドサービスを作成しました(図6)。他のデータセンターの組み合わせで検証しても問題ありません。
ポリシーの作成
Traffic Managerを利用するためには、Traffic Managerのポリシー(以下、ポリシー)を作成する必要があります。管理ポータルの[仮想ネットワーク]-[Traffic Manager]‐[ポリシー]を開きます(図7)。この画面を起点に、ポリシーの作成、構成変更、削除またはポリシーの有効化/無効化といった操作を実施できます。
ポリシーを作成するには、リボンの[作成]ボタンをクリックします。ポリシーの作成ダイアログが表示されます。必要な情報を入力して、ダイアログの[作成]ボタンをクリックします(図8)。
(1)ロードバランス方式を選択します。パフォーマンス、フェールオーバー、ラウンドロビンから選択することができます。ここで次節以降の検証のため、ラウンドロビンを選択します。
(2)このポリシーを適用するホステッドサービスを選択します。今回は検証のために作成した、東アジアと北中央アメリカのホステッドサービスを選択します。ここで選択された順序はフェールオーバーや、ラウンドロビンの動作に影響します。
(3)監視用エンドポイントを選択します。今回は、「endpoint.htm」というファイルを作成し、監視用エンドポイントとします。これは、ホステッドサービスの死活監視に利用されます。
(4)Traffic Manager用のDNS名(任意の名前)と、DNSのTTLを設定します。DNSによる名前解決では、常に(上位の)DNSサーバーに問い合わせる必要がないように、一定期間キャッシュする仕組みがあります。このキャッシュしておく時間を指定するのが、TTL(Time To Live)と呼ばれる値です。既定値は300秒ですが、検証目的のためTTLを30秒程度に設定しDNS名がキャッシュされる時間を短く設定します。小さな値を設定するとDNSトラフィックを増大させることになるため、通常は既定値で問題ないでしょう。
ポリシーの作成が完了すると、図9のようになります。