はじめに
前回は、Windows Azure SDK for Node.jsを用いて、Node.jsユーザー向けにWindows Azureの利用方法を解説しました。今回は、逆にWindows Azure ユーザー向けにNode.jsの基本機能について説明します。
対象読者
今回の対象読者は以下のとおりです。特にWindows Azureの知識の有無は問いませんが、Windows Azure SDK for Node.jsを利用します。
- Node.jsに興味がある方
必要な環境
Node.jsの実行環境として以下を利用します。
- Windows Azure SDK for Node.js
Node.jsの基礎
Node.jsはGoogleのJavaScriptエンジン上に構築されたスクリプト実行環境で、サーバーサイドスクリプト技術として注目を集めています。
前回は、Windows Azure SDK for Node.js(以降、SDK for Node.js)をインストールし、Windows Azure エミュレーター上でWebアプリケーションとして動作させましたが、今回はNode.js単独で扱っていきます。
SDK for Node.js をインストールすると、「C:\Program Files\nodejs」にNode.js本体がインストールされるため、これを利用していきます(注1)。
Node.js単体のインストーラーは、http://nodejs.org/dist/で配布されおり、これを単独でインストールし利用することもできます。現在の安定版はv0.6.15ですが、SDK for Node.jsに同梱されているものは少し古くv0.6.10となっています。
コンソールへの出力
はじめに基本中の基本であるコンソールへの出力から確認していきましょう。
スタートメニューからWindows Azure SDK for Node.js(注2)を開きます。インストールフォルダは環境変数PATHに設定済みであるため、そのままnode.exeコマンドを実行してください。REPL(Read-Eval-Point-Loop)と呼ばれる対話型のシェルが起動します(リスト1)。
コマンドプロンプトで実行しても問題ありません。
PS C:\> node.exe (1) > console.log('Hello World') (2) Hello World (3) undefined (4) > .exit (5) PS C:\> node -e "console.log('Hello World')" (6) Hello World PS C:\>
それでは、各々の動作を確認していきましょう。
(1)node.exeを引数なしで起動すると対話型のシェルが起動します。
(2)文字列の出力は、consoleオブジェクトのlog関数を使用すると、(3)のように「Hello World」が表示されることが確認できます。(4)は、console.log関数が評価された結果、返却値が定義されていないため「undefined」(未定義)と表示されるだけなので無視して構いません。
(5).exit(ドット付きに注意)を入力すると対話型シェルが終了します。 .helpと入力すると他のコマンドを確認できます。
(6)node.exeに引数を付けてスクリプトを与えることもできます。
このように、簡単な動作仕様の確認程度ならば対話側シェルでこと足りる場面も多いでしょう。ここまでの実行結果を確認すると図1のとおりです。