SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

Windows Azure新機能チュートリアル

Windows AzureユーザーのためのNode.jsの基礎

Windows Azure 新機能チュートリアル(13)

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

イベント

 Node.jsの多くのオブジェクトはイベントを発生します。Windows Formプログラミングで言えば、ボタンのクリックイベントになどがそれにあたります。Node.jsでは、これらのイベントを適切にハンドリングしてプログラミングしていくことが肝心です。

 どんなオブジェクトがどのようなイベントを発生するのかはリファレンスを参照していただくとして、リスト7にサンプルを用意しました。処理としては、標準入力から読み込んだ文字列をファイルに出力するものです。

リスト7 イベント利用例(sample6.js)
// (1)モジュールの読み込み
var fs = require('fs');
var readline = require('readline');

// (2)ファイルストリームの作成
var stream = fs.createWriteStream('test.txt');

// (3)openイベントにリスナーを登録
stream.on('open', function(fd) {
    console.log('File opened.');
    // (4)リードラインの設定
    var rl = readline.createInterface(process.stdin, process.stdout);
    // (5)readlineの行入力に対するリスナーの登録
    rl.on('line', function(line) {
        stream.write(line + '\n');
    }); 

    // (6)readlineの終了に対するリスナーの登録
    rl.on('close' , function() {
        fs.close(fd);
        process.exit(0);
    });
});

 処理の流れを確認する前に実行してみます。スクリプトを実行し、適当な文字列を入力します。CTRL-Cでスクリプトを抜けmoreコマンドでテキストファイルの内容を確認すると、入力された文字列が格納されているのが確認できるでしょう(図6)。

図6 イベント処理の実行結果
図6 イベント処理の実行結果

 処理の流れを確認しましょう。

 (1)今回は、標準入力からの読み込みにReadlineモジュールを利用します。これも標準モジュールの一つです。

 (2)fs.createWriteStreamメソッドでファイルへの書き込みストリーム作成します。

 (3)ストリームに対するイベントリスナーの登録をonメソッドで行います。別名としてaddListenerメソッドも用意されていますが、onメソッドを使うの一般的です。第1引数はイベント名を指定し、第2引数にイベントリスナー(コールバック関数)を指定します。この例では、ファイルが書き込みモードでオープンされたときに呼ばれます。

 (4)(5)(6)は 標準入力からの読み込みに対応した処理です。lineイベントは、標準入力からEnterキーを伴う入力があったときに呼ばれ、closeイベントはCTRL-Cによる終了時に呼ばれます。それぞれ、ストリームへの書き込みと、クローズを実施しています。

 リスト7のサンプルはリスト2などのと違い、イベントを登録しているとNode.jsは終了せずにイベントループに入ります。プログラム中では適宜発生するイベントを処理するため待機状態になり、適宜発生したイベントを非同期に処理していきます。

まとめ

 今回は、Node.jsに対する基礎的な機能を紹介しました。JavaScriptに習熟している方は特に問題なくNode.js固有部分が理解できたと思います。一方、C#やJavaに代表される静的な型付け言語に慣れているとJavaScript固有のクセもあって、やや取っ付きにくい印象を与えるかもしれません。

 また、勘の良い方はすでに気づかれているかもしれませんが、Node.js(非同期処理)において順序性を維持しようとするとネストが深くなってしまう傾向があります。これに関しては、Webを検索するといくつか興味深い試みが行われているので、興味がある方は検索してみてください。

 次回はもう一度Windows Azureから離れて、Node.jsの基本部分であるHTTPモジュールの扱いについて解説し、次々回へのWindows Azureストレージ操作へつなげていきたいと思います。

この記事は参考になりましたか?

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
Windows Azure新機能チュートリアル連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト statemachine(statemachine)

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/6519 2012/04/23 14:00

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング