Liberty ProfileがWASでの開発にもたらすメリット
――Liberty Profileが提供されるWAS V8.5はどんな人に効果的なのでしょうか。
まず、WASは重い、といった感想をお持ちの開発者はぜひ使ってみてほしいと思っています。起動の速さやデバッグのしやすさは、使ってみればすぐに実感できると思います。
Tomcatなどオープンソース系の環境をEclipseと組み合わせて使っている人も、Liberty Profileを利用すればこれまでの操作性や効率を変えずにWAS用のアプリケーション開発が可能になります。アジャイルの良さを活かしつつ、本格的なJava EEアプリケーションサーバの開発に挑戦してほしいですね。
――WASの環境でもアジャイル開発ができるというのは魅力となりそうですが、ほかにもメリットはありますか。
WAS V8.5では、新たにTomcatユーザーのためのマイグレーションツールを提供しています。これまでもWASのバージョンアップのためのマイグレーションツール、他社のアプリケーションサーバからWASへ移行するユーザーのマイグレーションツールが用意されていました。アプリケーションのコードを解析し、バージョンアップや移行に当たって修正が必要な点をリストアップしてくれるツールです。このツールを使用すると、Tomcatなどで開発したリソースを解析し、WASへのマイグレーションを支援してくれます。
WAS本体は有償のソフトウェアですが、Liberty Profileや関連のプラグイン、そしてこのマイグレーションツールなどはすべて無償で提供されます。また、WASのライセンスですべてのコンポーネントのサポートや技術支援が受けられるので、導入後のトータルコストも考えると、WASが飛びぬけて高価ということはないと思います。オープンソース系の開発環境でも、必要なランタイム、プラグイン、ツールのサポートなどで出費がかさむことがあるからです。
――本日はお忙しいところありがとうございました。
Liberty Profileを実体験できる「Impact 2012」が7月に開催
軽量かつ高速なランタイムによって開発時間、デバッグ効率を変えずに、高品質なWAS環境でのアプリケーションが開発できるなら、多くの開発者にとって試してみる価値はあるのではないだろうか。
なお、WAS V8.5および、Liberty Profileは、7月19日に開催される「Impact 2012」において実際に体験できるそうだ。興味のある読者はこのイベントでLiberty Profileのパフォーマンスをチェックするとよいだろう。