Linux開発と企業採用を推進するOSDL Japanは、本日、今後の新しい活動テーマについて会見を行った。企業がLinuxの採用可否を検討する時代は終わったとし、今後はLinuxをどう活用するか、開発をどう促進するかに戦略を集約するという。
Linuxの成長とエンタープライズでの採用を推進する、OSDL(Open Source Development Labs) Japanが本日都内で会見を開き、今後の新しい活動テーマについて発表した。
OSDLのCEO、Stuart Cohen氏は、世界におけるLinuxサーバのシェアがインストールベースで約20%、市場規模が700億ドルになったことを説明し、今後はOSDLのミッションを変更していくと宣言した。
まず、Linux開発コミュニティの成長を支援することで、日本におけるカーネル開発者の育成やテクニカルドキュメントの拡充を目指すという。また、企業におけるLinux/OSS(オープンソースソフトウェア)の採用は当たり前になってきたとし、今後は採用されたLinuxをどのように使うのかを考える段階にあるとも述べた。
続いて、OSDLの副議長を務めるRichard Wirt氏が会見し、これからは、Linuxによるシステム/アーキテクチャーを提供するベンダー、開発コミュニティ、OSディストリビュータが協力しやすい場を提供することが重要であると主張した。
明日予定されている「第3回 OSDL-Japan Linux Symposium」のように、Linux開発をリードするメンテナーと最新情報を交換し合える場を継続的に提供することで、日本の技術者の開発コミュニティへの参加や、技術レベルの向上を促すという。
OSDL Japanのアドバイザリーボード議長でNEC OSS推進センター グループマネージャーの柴田次一氏は、企業がLinuxの採用可否を検討する時代は終わり、Linuxが必要不可欠なものになってきていることを強調した。
また、Linux/OSSは企業間で共有できるため、企業の枠を超えて共同開発できるメリットがある一方、まだまだ技術情報を共有できる場が少ないことも指摘した。これに対しOSDL Japanでは、SIer向けフォーラムで、Windows開発者向けのLinux/OSSの勘所を説明した「Linux/OSSの歩き方」を公開するなど、各種情報提供を行っている。
最後に、「先日発表された米マイクロソフトと米ノベルの提携についてどう思うか」という記者からの問合せに対してStuart Cohen氏は、マイクロソフトがLinuxの重要性を認めた証であり嬉しく思うと感想を述べた。
この記事は参考になりましたか?
- この記事の著者
-
CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
CodeZineは、株式会社翔泳社が運営するソフトウェア開発者向けのWebメディアです。「デベロッパーの成長と課題解決に貢献するメディア」をコンセプトに、現場で役立つ最新情報を日々お届けします。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です