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「PyCon Singapore 2013」レポート

PyCon Singapore 2013レポート
~二日目

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 2013年6月13日(木)から15日(土)にシンガポールで開かれた、PyCon Singapore 2013の参加レポートをお届けします。

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トーク:A Pyth Less Travelled

 2日目は受付がないので、直接各部屋に移動し、講演が始まるのを待ちます。もう一つのShinkenの講演と悩んだのですが、せっかくシンガポールにいるので、この国の教育現場におけるPythonについての講演を受けてきました。

Soong Chee Gi氏
Soong Chee Gi氏

 スピーカーはDunman High Schoolという、日本でいう中学・高校に相当するところで、コンピュータ・サイエンスを教えている方です。Dunmanはシンガポールの学校の中でもかなりの進学校で、その上この発表に出てくる「A-level Computing」というカリキュラムも、おなじコンピュータ科目の中でも最高レベルのものになっています。ですから、このトークに出てくる授業をすべての中高でやっていると考えてはいけない、という注意もありました。それでも中学生や高校生がDjangoを使ってWebアプリをつくったり、Google App Engineを使って課題を作成するというのは、想像するだけでもすごさが伝わってきます。

 その中でも考えさせられたのは、トークの際も今後の課題として出てきた、すべて自作なのか、それとも既存のライブラリ・ツールを活用するのかという点です。プログラミングそのものを覚えるのが目的であれば、中身の実装も理解しないままツールを利用することだけを覚えて、そこから発展させられないのは問題です。ただ、これだけオープンソースで利用できるものがあふれている現在、使えるものを使わないままというのもあまり実践的ではありません。プログラミングの授業というと、一通り文法を覚えたあとはソート機能を実装したり、自分で手づくりすることが多かったと思います。ただ、今後はそれに加えて、欲しい機能やAPIを持ったツールを見つけて、READMEを自分で読みつつオンラインのコミュニティの助けを借りて、工夫しながら実装する、というようなスキルも教えていったほうがいいのでは、と考えさせられました。

トーク:Music beat aware interactive physics simulation

 今回のカンファレンスで特に興味があったものの一つです。Pythonのようなプロトタイピングのしやすいスクリプト言語で音楽を扱えないかなと思っていたので、これは楽しみにしていました。講演の最後のQ&Aで、私自身も「Pythonで創作しているようなアーティストはいるか」と質問してみました。それについてはあっさり「No」という回答を頂いたので、残念でしたが・・・。

Vikram Bahl氏
Vikram Bahl氏

 全体的に落ち着いたプレゼンの中で圧巻だったのは、音波兵器のデモでしょう! 普通の会場のスピーカーを使っているので人体に害はないとはいえ、かなりの不快感でした。この音声も、Pythonで音程、長さ、強さ、アーティキュレーションなどを調整しています。他にも、ロボットのような音声にしてくれるアプリのデモといった、かわいいものもあるのでぜひ動画をご覧ください。

トーク:Writing,Publishing and Maintaining Reusable Django Apps

 こちらも個人的に楽しみにしていた講演の一つです。再利用を高めるアプリの作り方というのは、いろいろとWebでもまとまっている話ではありますが、Djangoのバージョンが上がってプロジェクトとアプリのディレクトリ構成が変わったりなど、Web上の情報は鮮度がまちまちです。この講演ではDjangoでのプロジェクトやアプリの作り方から、ドキュメント方法、PyPIへの公開方法など、30分で一通り網羅しているので、ざっと最新の概要を知りたい人にはお勧めではないでしょうか。

Martin Brochhaus氏
Martin Brochhaus氏
真剣な聴衆の様子
真剣な聴衆の様子

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この記事の著者

神谷 亮一郎(カミヤ リョウイチロウ)

PyCon JP 2014スタッフ。Sweet Remedy Inc.で投資銀行向けの経営コンサルティングをしています。Webサービスのために作った会社なのですが、まだ実現できていません……。前職まではプログラミングは趣味の程度でしたが、昨年退職して念願のWebサービス立ち上げにむけて開発中です。2013年2月に日本に帰国するまでは、8年ほど香港とシンガポールで経営コンサルティング会社と投資銀行で働いていました。上京してから...

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