一方、開発者にとっての「悦」は、便利なプラグインがシームレスに利用できることだという。
MyEclipseには、初めから数多くのプラグインが含まれており、Eclipse上から、これらの機能を同じような操作性で使うことができる。例えば、代表的な機能に次のようなものがある。


また、Eclipseではコードアシスト機能が便利だが、Webアプリケーション開発では、標準で備わっているJava以外に、HTML、JSP、XML、CSSなど、多岐にわたるフォーマットの編集が必要になる。MyEclipseであれば、これらのファイル編集についてもコードアシスト機能が使えるようになる。
たとえば、Javaの場合、コードアシストやシンタックスのハイライトという機能があるがJavaScriptでも使えるようになる。なおかつ、コードアシスト機能では、ブラウザの種類(Internet ExplorerとMozilla)によって使えるメソッドの違いもポップアップされるので、どちらのメソッド・変数が使えるのかを確認できる。また、Javaと同じようにブレークポイントを設定して、JavaScriptのデバッグを行い、止めたそのときの状態を見ることも可能。

つまり、開発者を快適にする機能の数々が、MyEclipseによって提供されることになる。
実際にMyEclipseを使った開発例として、住所録のデモが行われた。AJAXを利用したWebアプリケーションで、「郵便番号を入力すると住所の候補が自動的に表示される」というもの。

この中で、まずページ遷移やページデザインが、GUIで視覚的に作業できることが示された。

続いて、クライアント/サーバプログラムのデバッグを、一つのEclipseの中から行えることなどが紹介された。
AJAXアプリケーションのデバッグで厄介なのは、バグの潜む場所として、クライアント(JavaScript)とサーバ(Java)の両方が考えられることだ。両方のデバッグが必要である。MyEclipseでは、クライアントのJavaScriptとサーバのJavaプログラムのデバッグが、同じEclipseのデバッグ画面から同時に行える。いちいちウィンドウを切り替える煩わしさはない。また、JavaScriptのデバッグもJavaのデバッグもまったく同じ操作性で行える。ブレークポイントの設定、変数の参照、ステップ実行も、Javaのデバッグと全く同じだ。このため、EclipseによるJavaのデバッグ方法を知っていれば、すぐにJavaScriptのデバッグができるようになる。さらに、MyEclipseにはAJAXリクエストモニタがある。これは、クライアントとサーバ間のデータのやり取りをモニタできるツールだ。これを利用すれば、非同期に送受信される内容をすべて参照することができる。バグを簡単に絞り込めるようになる。AJAXを利用したWebアプリケーション開発においても、MyEclipseは非常に有効だ。


今回は、ローカルに存在するJavaScriptのデバッグが対象だったが、その他にも「GoogleMap」といった、外部のAJAXを使っているサイトにアクセスして、ブレークポイントを設定したり、リクエストをモニタしたりといったデバッグも簡単にできるという。これについては、今後、水島氏がCodeZine記事として執筆を予定している。

これまで紹介したきたように、開発者の負担となるAJAX開発においてMyEclipseがもたらすインパクトは非常に大きい。水島氏は、「MyEclipse」を使って、ぜひ今後のWebアプリケーション開発を楽しんで欲しいと講演を締めくくった。