25年後、Webは「ゴーストのつぶやき」に対応する?
話題は過去から未来へ。これからの25年間に、Webはどのような進化を遂げるのかについても、パネラーが順番に自身のビジョンを語った。
HTML5Jコミュニティを立ち上げた白石氏は、「HTML5勉強会で、これから25年で大切なものを尋ねられれば、立場上それはHTML5ですとしか回答できないけれども」としつつ、HTMLはすでに25年間生き延びており、CSSやJavaScriptが加わって以前に比べて筋の良い技術になってきている。ユーザーインターフェイスはHTML化していくのではないか、と述べた。
続いて小松氏は、技術がコモディティ化することは重要ではないかと意見。「HTML5が取り沙汰されていること自体が、実はださいのではないか。私は定額のインターネット接続サービス(フレッツサービス)を作ったが、そのことにより、日本にWebというものが出来上がった。今、定額インターネットのことを取り沙汰する人は誰もいないけれども、それでいい。Webもそのようになるといい」(小松氏)
さらに、現在Webがこれだけ繁栄しているのは、デバイスなどのハードウェアコストが大幅に下がったからと指摘。iPhoneやiPadにより情報デバイスを普及させたでスティーブ・ジョブズ氏の功績を称えるとともに、今後はデバイス+Webというように、様々なものが組み合わさることによりイノベーションが起こるだろうと述べた。
士郎正宗のコミック『攻殻機動隊』の大ファンであるという夏野氏は、「これからの25年で、ネットワークの“最後の1フィート”が解決されるのではないかと思う。携帯端末まではLTEで情報が来ているわけですよ。そこから人間の脳との間は、目や指、耳といったとても細いバスになってしまっている。ここが脳波へ直接送られるようになる」と大胆な予測。例としても、「脳に情報を直接送るとなったときに、HTMLは視覚データに最適化されているため、たとえば『ゴーストのつぶやき』をどうするか」と攻殻機動隊の世界を踏まえたものを挙げた。
また、インターネットやWebがさらに発展した社会について、村井教授は「インターネットの技術というのは『縦を横につなぐもの』、『縦に分かれてしまうものを横につなぐもの』」であるとした上で、「今では3Dプリンタだけでなく、農業機械や楽器などもWebアーキテクチャの一部になってきている。こうなると、Webでやることが全く変わってくる。おいしいお米が採れるとか、すばらしい音楽を奏でるとか。そういったことを誰でもプロデュース可能になる」と指摘。
そして、「そのパワーを生み出すのは『個人』。個人が尊重されるのがインターネットであるし、個人の力を合わせるというのは無限の可能性がある。これを実現するためにはアーキテクチャの構築に誰でも参加できるということを、どれほど真剣にとらえるかが重要だ」(村井教授)と述べ、会場の内外にいる開発者の誰もが世界を変える力を持っていることを伝えた。
HTML5の開発コンテストも始まる
なお、このイベントでは「html5j」管理人の白石氏より、Web開発コンテスト「HTML5 Japan Cup」(主催/メインスポンサー:html5j、NTTコミュニケーションズ)を開催する発表も行われた。
このコンテストは、HTML5を使って作成したWebサイトやWebアプリケーションのクオリティを競うもの。最優秀賞(1作品)には賞金100万円を授与。さらに、スポンサーが提供するテーマに沿って作成したアプリ/サイトを審査する「テーマ賞」や、複数のプラットフォームで動作することが審査対象となる「プラットフォーム賞」、スポンサーが提供するライブラリやAPI、ツールを使用して作成したアプリ/サイトを審査する「ライブラリ・API・ツール賞」のほか、ユニークな賞もあるという。
応募期間は4月14日~6月16日。7月26日に審査結果発表が行われる。

