MQTTを用いたPub/Subシステムを理解する
先ほどのMQTT Pythonライブラリを使ったClient/Publisher接続のプログラム例と同じく、MQTT Pythonライブラリを使ったClient/Subscriber接続のプログラム例を見ていきましょう。このプログラムでは、Brokerに対してトピックを"test"として、Publisherから集まってくるメッセージの購読を行います(図9)。
C:\test> notepad sub-mqtt.py ※Windowsのメモ帳を使ってプログラム作成
# coding=utf8
import paho.mqtt.client as mqtt
def on_connect(client, userdata, flags, rc):
print("Connected with result code "+str(rc))
client.subscribe("test")
def on_message(client, userdata, msg):
print(msg.topic+" "+str(msg.payload))
client = mqtt.Client()
client.on_connect = on_connect
client.on_message = on_message
client.connect("test.mosquitto.org", 1883)
client.loop_forever()
準備が整ったら。すぐにPublisherおよびSubscriber両方を順番に起動し接続してみましょう(図10)。
C:\test> py pub-mqtt.py Connected with result code 0 message published :
C:\test> py sub-mqtt.py Connected with result code 0 test b'test message from Publisher Thu Aug 14 15:28:09 2014' :
正常に起動していれば、Subscriber側の画面にPublisherから発行されたメッセージが表示されます。今回利用しているオープンなMQTT実験環境である test.mosquitto.orgは、世界中のシステムエンジニアによって利用されています。今回サンプルプログラムとしてトピックを"test"としていますが、読者の皆様ごとに独自のトピックを立てて、トピックの衝突が起こらないように実験してみてください。
せっかくなので、Subscriber側のMQTT Subscribe Requestのパケットトレースも見てみましょう(図11)。
このパケットトレースからトピック"test"に対するメッセージ購読をSubsciber側がMQTT Subscribe Requestとして発行していることが確認できます。
この手順を踏まえて、Publisher側から発行されたメッセージがBrokerを経由してSubscriber側へ伝搬します。図12は、Broker側からSubscriber側へ伝搬したMQTT Publish Messageです。
Publisher側がBrokerへ送信したMQTT Publish Messageとまったく同じ内容が、Subscriber側のMQTT Publish Messageでも確認できます。
それでは最後にPublisher, Broker, SubscriberにおけるMQTTのやり取りについてまとめて見ていきましょう。図13は、Publisher, Broker, SubscriberにおけるMQTTコマンドの動作を図示したものです。
初めに、PublisherおよびSubscriberはMQTT Connect commandでBrokerへの接続を試みます。成功すれば、MQTT Connect ACKで受理されます。そのあとPublisherはMQTT Publish Messageによってトピックごとのメッセージ発行をBrokerに対して行います。Subscriberは、メッセージ購読したいトピックに対してMQTT Subscribe Requestを発行します。成功すれば、MQTT Subscribe ACKで受理されます。以後はBrokerを経由してMQTT Publish MessageがPublisherからSubscriberへ伝搬していきます。
MQTTの基礎的なシステム設計なので非常にシンプルな仕組みですが、アイデアとシステム設計次第では限りない可能性を秘めたメッセージングシステムになっていくことでしょう。
IoT(Internet of Things)やMQTTなど要素技術の普及や展開は、正直まだまだ始まったばかりという段階です(図14)。筆者もIoT関連デバイスや開発環境などを定期的にリサーチし、技術普及か市場の受け入れ方を確認していますが、少しずつ少しずつ進化していっていることを感じています。
次回予告
さて次回は、暗号化通信によるMQTTの取り組みやネットワーク性能など、より実践的なMQTTのPub/Subシステムの使い方について見ていきます。


