トピック2:プロトタイピング開発が意志決定に与える影響とは?
坪田:プロトタイピングするといいのは分かるんですが、この手法を取り入れたときの意志決定ってどうしてます?
村越:グリーの場合、意志決定自体はプロダクトオーナーがやっていきますが、プロトタイピング開発だとプロセスを共有しているので、意志決定のタイミングでありえないような方向にはいかないですね。コンテキストという話が出ましたが、プロセスを共有して可視化されているので、チームの納得感がありますね。
坪田:なるほど。それはとてもいいですね。別の話になりますが、トップレイヤー(上層部)の人たちが急に現場に入ってきて、それまでの議論がひっくり返されてしまうこともありますよね。これもコミュニケーションの問題だったりしますよね。
元山さんのところでは、例えば「現場をミスリードしてしまっていた」みたいなことが現場で起きていませんか?
元山:クックパッドでは、デザインレビューを開発プロセスの中にフローとして取り入れているんですが、GitHub上で可視化してレビューしてるので、後々ひっくり返されるというのはないですね。
土屋:話が逸れますが、対面レビューの重要性ってどう思います? グッドパッチではデザインなどのレビューを対面でやるようにしてるんですが、コンテキストによる弊害とかってありませんか?
元山:あるでしょうね。デザインはプロジェクトのメンバー以外も見ているので、対面レビューが厳しい場合もあります。その点では、GitHub上でレビューするほうが効率的なこともありますね。
坪田:僕は、対面でレビューをやる案件とやらない案件がありますね。レビューする案件はプロトタイプを見た後にレビューしたりしますね。ミーティングは増えましたが、その分、質の高いものができるようになったという感触はありますね。
まとめると、意志決定はプロダクトオーナーがするけれども、意志決定よりもプロセスでみんないい方向に向いているので、意思決定とプロセスでは、プロセスのほうが大事だという結論に今、着地しました(笑)
一同:(笑)
この後、元山氏から、プロトタイプを検証して実際の開発に移る切り替え(境界線)があいまいで難しいという問いかけがありました。元山氏はプロトタイプに関して判断材料が集まった時点で、意志決定して開発に移るとのことでした。
また、村越氏は坪田氏からの「プロトタイピングの結果、開発を中止するというケースはあるか」という問いかけに、中止することはないが、ピポット(方向転換)するケースはあると回答。形にしてから分かることがあるから、というのが理由でした。
議論が尽きないまま、タイムアップでこの日のパネルディスカッションは終了となりましたが、プロトタイピングで改善される点、課題として残る点などが明らかになり、デザイナーを中心とする会場の参加者もみなさん、満足な表情でした。
この後、登壇者と参加者が交流する親睦会が行われ、参加者同士でもプロトタイピングをはじめ、意見や情報を交換して大いに盛り上がっていました。
