エヌビディア(NVIDIA)は、ディープラーニングにより画像をはじめとするオブジェクト認識や情報解釈が可能な組み込みコンピュータ「NVIDIA Jetson TX1」を日本国内で提供開始することを発表した。まず開発キット(Jetson TX1モジュールと開発用キャリアボードおよびSDK)が3月中旬から出荷開始。価格は9万3798円(税込み)。
Jetson TX1は名刺大のプリント基板上に、1テラフロップスの処理性能と256個のCUDAコアをもつMaxwellアーキテクチャのGPUと、4ビットARMアーキテクチャCPUや4GBのメモリなどを搭載したモジュールとして設計されており、ドローンなどの機器に搭載して使用する。4kビデオのエンコード/デコード、1400メガピクセル/秒をサポート。16GBのフラッシュストレージや802.11ac規格対応のWi-FiとBluetooth、10/100/1000BASE-Tのイーサネットが利用できる。また、400ピンのSamtecコネクタを外部インタフェースとして装備した。
Jetson TX1の大きな強みの1つが画像認識機能の提供である。最初に、ワークステーションやクラウド上で大量の画像データを「学習」させ、認識の「モデル」を生成する。Jetson TX1モジュールはそうして生成されたモデルをインストールすることで、接続したカメラに写っているものを「推論」できるようになる。例えば、Jetson TX1を組み込んだドローンでは推論の結果に応じて、飛行コントロールやアクションを自律的に実行できるようになる(飛行のためのプログラムもJetson TX1モジュールにインストールしておく)。
3月中旬に出荷開始の「NVIDIA Jetson TX1開発キット」は、Jetson TX1モジュールにインストールするプログラムの開発を支援する。Jetson TK1モジュール1個と、キーボードやUSB、HDMIなどのI/Oポートを備えた開発用キャリアボード1台、機械学習ライブラリ「cuDNN」やコンピュータビジョン用ライブラリ「VisionWorks」、各種APIおよびCUDAといったSDKを同梱。米国での販売価格は599米ドル。Jetson TK1モジュールは1個299米ドル(ただし注文は1000個単位)。
購入などの問い合わせは、個人の場合にはオリオスペック、法人の場合には菱洋エレクトロまで。オリオスペックでは4月上旬入荷予定で予約を受け付けており、価格は9万3798円(税込み)。
【関連ページ】
・NVIDIA Jetson TX1(英語)
・エヌビディア
・オリオスペックのJetson TX1予約受付ページ
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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