SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

DeveloperZine(デベロッパージン)- エンジニアの意思決定を支える技術情報メディア ProductZine

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

プロダクト担当者インタビュー

さらにクラウドへ! 「IBM DB2 11.1」はペタバイト級インメモリDB、数千サーバー並列処理を実現、Apache Sparkとも急接近中!

米IBM Analyticsプラットフォーム ワールドワイドテクニカルリーダー クリス・イートン氏


dashDB=DB2 on Bluemix

 IBMのPaaS「Bluemix」ではこれまで、トランザクショナルDB(RDB)サービスとして「SQL Database」、DWH(データウェアハウス)サービスとして「dashDB」が提供されてきた。SQL DatabaseのベースはDB2。行指向でデータを管理するいわゆるRDBだ。dashDBは列指向でデータを管理し、特に分析用途で性能を発揮する。

 現在では、RDBサービスもDWHサービスもdashDBが提供している[3]。列指向でのデータ管理機能を備えたことで、両方の機能をDB2 v11だけで提供可能になったからだろう。実際、dashDBはDB2をベースとしたサービスである。RDBサービスのほうは「dashDB for Transactions」、DWHサービスのほうは「dashDB for Analytics」と呼ばれる。

 ただし、利用プランは別々だ。RDBサービスを使用する場合には「for Transactions」と名前が付いているプランを選択する。DWHサービスを使用する場合には「for Transactions」が付いてないプランを選択する。

IBM Bluemixのカタログ画面。「データおよび分析」カテゴリに「dashDB」がある
IBM Bluemixのカタログ画面。「データおよび分析」カテゴリに「dashDB」がある

 ユニークな機能として、DB2はOracle DBとの互換性を備えている。dashDB for TransactionsだけでなくdashDB for Analyticsでも互換性があるという。「実は、Oracleとの互換性はDB2 v9.7から提供しています。Oracle DBの価格に満足できないということで、DB2に移行するお客様もたくさんいらっしゃいます」(イートン氏)

 また、データをAWSのオブジェクトストレージサービス「Amazon S3」にバックアップしたり、Amazon S3からデータをロードしたりできるなど、外部クラウドとの連携をサポート。もちろん、オンプレミスの既存システムとの連携も強力だ。

「DB2はインテグレーション面に優れており、ハイブリッド環境で強みがあると考えています。ですから、クラウドだけでなくオンプレミスも含めて、外部との連携はこれからもDB2の特色として明確に打ち出していきたいと思っています。私個人の考えですが、ハイブリッドという言葉自体が5年後には消えているのではないでしょうか。ハイブリッドが空気と同じくらい、当たり前になってくるのではないかと思っています」(イートン氏)

 イートン氏はPaaSであるdashDBのメリットとして、DBサーバーの運用管理をユーザーの手で行う必要がない(マネージドサービスである)ことも挙げる。PaaSで提供されるもう1つのメリットには、低コストでDB2のAdvanced版(高機能版)を利用できる点であるだろう。DB2のライセンス料だけでなく、多数のサーバーマシンを用意するとなれば相当の初期投資(とその後の管理費)が必要になる。

 また、dashDBは現在AWSでも提供されているという。しかし、BluemixやSoftLayerといったIBMのクラウド上でDB2やdashDBを使用してもらわないとビジネス戦略上困るのではないか。クラウドではより多くのユーザーデータを抱えることが優位につながるからだ。そう、イートン氏に質問したところ、次のような回答が返ってきた。

「IBMのクラウドにお客様がデータをたくさん載せてくださるよう、プラットフォームをより魅力的なものにしていく取り組みも進めていければと思っておりますが、何より大切なのは、お客様に正当な選択肢を提供することだと考えています。

 先日IBMが発表した「Open for Data」戦略[4]の中でも、PostgreSQLやMongoDBとの組み合わせも紹介しました。私どもは優れたソリューションを持っていますが、お客様に対してよりオープンに、他の選択肢もきちんと示すという考えでソリューションを提供しています」(イートン氏)

 自社製のプラットフォームやプロダクトの使用を強いるより、ユーザーがベストと判断するものを使えるようにする。顧客に対し、オープンであることをIBMは約束し徹底しているようだ。

[3]: Bluemixには「IBM DB2 on Cloud」というサービスがある。dashDB for Transactionsとの違いは、後者がフルマネージドなサービスであるのに対し、前者はユーザー側での細かな管理を実施できる点にある。

[4]: データと、そのデータを活用するための開かれたデータ活用環境の提供を通じて、顧客の革新を支援し、企業価値を高めるためのアプローチ(2016年5月11日配信の日本IBM ニュースリリースより)。

CloudantとdashDBの連携

 先の質問の回答にMongoDBが出てきたが、DB2 v10.5 Fix Pack3のリリース以降、クラウドの普及と併せて、MongoDB[5]のような「NoSQL」というRDB以外のDBを積極利用する動きが活発化した。イートン氏は24年以上、エンジニアとしてDB2に関わってきた人物である。こうした非RDBの使用拡大(あるいはアンチRDB)について、どう感じているのだろうか。

「私は長年この業界におりますので、いろんなものが生まれては消えていくのを何度も見てきました。非RDBについても多くのプロダクトが消えていきました。RDBには堅牢さという大きな強みがあります。しかし、RDBの一番の強みは他のデータリソースと連携にあると思います。例えば、DB2はMongoDBの通信プロトコルを扱えます。そのため、MongoDB APIを使用しているアプリケーションともデータをやり取りできます。JSONデータということであれば、当社の「Cloudant[6]」とも連携します」(イートン氏)

 この話をうかがっているときに見ていたのは次図であるが、CloudantからdashDB for Analytics(DB2)に渡されている雲のアイコンはJSONデータを表している。JSONデータがdashDB for Analyticsに渡ると、そのスキーマを分析してテーブルを定義し格納する仕組みである。

CloudantとdashDB for Analytics、同Transactionsの連携
CloudantとdashDB for Analytics、同Transactionsの連携

[5]: JSONライクな形式でデータを保管するオープンソースのドキュメント指向データベース。

[6]: JSONデータを保管するデータストア。DBaaS(Database as a Service)でも提供されており、単体のクラウドサービスとしても使用できる。

次のページ
Apache SparkやIBM Watsonとの連携

この記事は参考になりましたか?

プロダクト担当者インタビュー連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

市古 明典(編集部)(イチゴ アキノリ)

CodeZine編集部3年目の44歳。宝飾店の売り子、辞書専門編集プロダクションの編集者(兼MS Access担当)を経て、2000年に株式会社翔泳社に入社。月刊DBマガジン(休刊)、IT系技術書・資格学習書の編集を担当後、2014年4月より現職。9月から翌年2月まではNFL観戦のため、常時寝不足。...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/9578 2016/08/02 16:47

イベント

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー