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Glanceの動作と仕組み~Novaのインスタンスイメージを柔軟に管理

マイクロサービスアーキテクチャが支えるOpenStackの動作と仕組み 第3回

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目次

異なるタイプのストレージサービスを選択・併用できる

Glanceでは、イメージの保管先に様々なストレージサービスを選べます(利用可能なストレージサービスについては後述)。様々なストレージサービスが使えることで、どのような利点が生まれるのでしょうか。

例えば、運用中のストレージをそのまま使うことができます。イメージの量が限られていることが明白なら、ファイルシステムに保存するという手段も採用できます。この場合、イメージを保管するためのストレージを増やす必要がなく、管理するサーバーが減ります。また、イメージの喪失が運用上きわめて大きなリスクとなる場合、Amazon S3の利用も選択できます。

また、Glanceは異なるタイプのストレージサービスを併用することも可能です。例えば、失ったときの被害が甚大なイメージはAmazon S3に保存するけれども、そうでもないイメージはファイルシステムに保存する、といった使い分けができます。

Amazon S3は極めて高い耐久性を備えていますが、利用にはお金がかかりますし、組織によっては利用申請といった準備が大変かもしれません。そのため、全てのイメージをAmazon S3に保管するという選択は避けたいところです。Glanceなら、目的に応じて最適なイメージを選べます。

このように、利用目的や状況によって保管先のストレージサービスを切り替えられるのは、イメージの実体とメタ情報の管理が切り離されているGlanceだから実現可能な強みです。この強みは、用途別にサービスが切り離されているマイクロサービスアーキテクチャの特徴によって実現されています。

Glanceで使用可能なストレージサービスには次表のものがあります。どれを使用するかは、glance-apiの設定ファイル(glance-api.conf)の中で指定します。

ファイルシステム Glanceがインストールされているサーバのファイルシステムにイメージを保管する
HTTP ウェブ上に配置されたイメージを直接参照する
Amazon S3 Amazon Web ServiceのAmazon Simple Storage Serviceに配置されたイメージを直接参照する
RBD Rados Block Deviceによって作成されたストレージにイメージを保管する
Sheepdog Sheepdog によって作成されたストレージにイメージを保管する
VMWARE VMWARE の持つストレージにイメージを保管する
SWIFT OpenStackのコアサービスSWIFTによって作成されたオブジェクトストレージにイメージを保管する
CINDER OpenStackのコアサービスCINDERによって作成されたブロックストレージにイメージを保管する

おわりに

Glanceは、Novaがインスタンスを作成するときに使用するイメージを、メタ情報とイメージの実体に分けて管理します。

ユーザーはglance-apiにイメージに付与されたIDを渡すことで、イメージのメタ情報や実体を利用できます。

イメージのメタ情報は、あらゆるサービスやユーザーから頻繁に使われます。これはglance-registryによって管理されており、高速で参照できます。

イメージの実体は様々なタイプのストレージに保管可能です。そのため、構築する際の状況や目的に応じて、最も使いやすいストレージを選択できます。異なるタイプのストレージを併用し、使い分けることも可能です。

これらの利点は、Glanceそのものがマイクロサービスの集合体として作られていることで実現されています。



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