「この仕事量なら何週間で消化できるか」を見る
次に梶原氏は、良いプロダクト開発計画を実際に行う際の手順について「規模の見積もり」と「ベロシティの計測」という、大きな2つのポイントを紹介した。
規模を見積もる=「時間ではなく規模が大事」
見積もりでは時間よりも規模を重視するべきだ。先に述べたように、時間重視では「まず納期ありき」に陥る危険が高い。そうではなく、こなすべき仕事量や解決する課題の数がどれだけあるかを把握することが必要だ。
チームのベロシティ(実行能力)を計測する
ベロシティとは、開発チームが実際にタスクに取り組んだ実績値であり、開発チームが今後、唯一信頼できる指標となる。具体的には、単位時間(1週間または2週間)あたりに消化できるタスク量であり、最新の4スプリント程度の平均値が、その開発チームの実力と見てよい。
この2つが完了したら、実際のプランニングに入る。「リリース日固定」と「スコープ固定」の2つの方法がある。
リリース日固定
- 開発できる総量は、スプリント数×平均ベロシティ
- リリース目標値は、開発総量の7割以内に収めておく
- リリースラインが「できる範囲」に収まらない場合は破綻しているので再調整
スコープ固定
- リリース日の予測は、総見積もり÷平均ベロシティ
- 全てのバックログがいつまでに完了するか予測を行う
- リリース日はあくまでも予測
見える化ツールでプロジェクトを一気に効率化
梶原氏は、開発プロジェクトを効率的かつ高品質に進める上で、アトラシアンの開発管理ツールを活用した「リリースプランニングの見える化」が有効だと、自己の経験に基づいて示唆する。
「アトラシアンのソフトウェア開発ツールであるJIRA Softwareでは、非常に多くのレポート機能が提供されている。これらはリリースプランニングに関するさまざまな情報を視覚化して、プロダクトオーナーの判断やチームへの情報共有、顧客に対する説明など、プロジェクトのあらゆる局面で、情報の可視化を支援してくれる」
JIRA Softwareを活用した、リリースプランニングの見える化は「実績値をもとに、ステークホルダーとより具体的な会話ができる」「プロジェクト開始時に予想していなかった変更があれば、即時にレポートに反映してくれる」という2つの大きなメリットをもたらし、フレキシブルで効率の良いプロジェクト進捗を可能にしてくれるという。
最後に梶原氏は、「私たちエウレカでは、『世界中の人々の人生を豊かにするものを自分たちの手でつくり出す』をビジョンに掲げています。私たちといっしょに何かをしてみたいという方は、ぜひ声をかけてください」と呼びかけて、セッションを締めくくった。
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