SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

DeveloperZine(デベロッパージン)- エンジニアの意思決定を支える技術情報メディア ProductZine

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

イベントレポート

開発者の生産性向上、業務効率化に貢献する「Visual Studio 2017」――リリースイベントより

開発者の生産性向上、業務の効率化を図るための新機能と改良

 最新のVisual Studio 2017では開発者のために、どのような新機能および改良が加えられたのか。最初のフォーカスポイントは「開発者の生産性の改善」である。

 昨今、開発者の業務は増え続けている。「日々の細かいタスクに時間を使うのではなく、仕事のコアとなるコードを書くことや、すばらしい機能を作るためのサポートをすることに使いたい、と誰もが思っているはず。だからこそ、私たちは開発者の生産性を改善することに投資している」とKöster氏は語る。ただ、「これは目に見えるような改善ではない」という。例えば、IDEの起動がより高速化されていることや、プロジェクトやソリューションを作らなくてもフォルダから開いてコードの編集ができるなど、目立たないものの重要な部分がより使いやすく改善された。

 また、業務の効率化を図るためにintelligenceの改善も行った。コードのフィードバックがすぐに出てくるといった、リアルタイム性を向上させたのだ。これによって「クオリティの高いコードが書けるようになり、業務の効率化を図ることができる」とKöster氏は語る。近年のアプリケーション開発には、できる限り迅速なリリースが求められるからだ。そして、そのカギを握るのがコードの品質の高さである。

 一般的な開発は「コーディング→デバッグ→単体テスト→コード分析→ソース管理→統合→実装」といったプロセスを描く。だが、この流れでは「生産性や業務の効率化の面では問題がある」とKöster氏は指摘する。コーディングしている最中に、本番環境で機能するかどうかは把握できないからだ。この問題もVisual Studio 2017なら解決できるという。Köster氏らマイクロソフトの開発チームは、その解決手法をシフトレストと呼んでいる。シフトレフトとはその名の通り、開発プロセスの時間軸を左に移すということ。つまり「コードを書いて実装し、うまく動作するかどうかをチェックする」課程を、開発者が自身のインナーループ内で行う。そこでintelligenceを使うと、コードにバグがあった場合に通知してくれるのだ。結果として、開発期間の削減につながる。

インナーループ内でバグを発見することで、開発期間を削減できる
インナーループ内でバグを発見することで、開発期間を削減できる

 それだけではない。Visual Studio 2017では新機能「Live Unit Testing」も追加された。同テストは継続的にバックグラウンドで実行され、ビルドの度に実行する必要がない。全てのテストがパスすればチェックマークがつき、コードがプログラムに影響を与える前に判明する。「シフトレフトするのは、Visual Studio 2017の大きなトレンドだ」とKöster氏はアピールする。

 さらに「ライブコードアナライザー」という機能も紹介された。スタティックコード分析に加え、コーディングでルール違反があった場合に、警告とベストプラクティスが表示される。これも生産性を上げる機能の一つだという。

 Visual Studio 2017における第2のフォーカスポイントはクラウド。「クラウドに最も適したIDEはVisual Studioだ」と、Köster氏は力強く語る。というのも、特別な設定をほぼ行うことなくクラウドにアクセスできるからだ。「構築、デバッグ、管理など、クラウドファーストなアプリケーション開発ができる」とKöster氏。しかも今後はMicrosoft Azureだけではなく、他のクラウドベンダーのサービスも使えるようにしていくという。また、クラウドネイティブなアプリケーションを開発することによって、よりクラウドというプラットフォームを活用することができる。

 クラウドは活用したいが、データをクラウドに預けるのは不安に感じる企業は多い。しかしVisual Studio 2017は、さまざまな企業のニーズに応えていけるという。

 「私たちはハイブリッドなアプローチを取っていく。皆さんの重要なデータベースはご自身のデータベースセンターで保管していただき、その他のデータはクラウドに置くといった、相互接続でハイブリッドの環境を実現するというサービスも提供している。これも当社が行っている差別化の一つだ」

モバイルアプリの開発も容易に、DevOpsにも対応

 第3のフォーカスポイントはモバイルだ。Visual Studio 2017ではモバイルアプリの開発もXamarinの導入により容易にできるようになった。一つのネイティブアプリをiOS、Android、Windowsという三つの異なるプラットフォームに提供できる。言語についても、C#はもちろんObjective-C、Swift、Javaでも開発可能だ。Xamarinの導入は新しい話ではないが、「今回のバージョンでプラットフォームそのものに統合された」とKöster氏は説明。モバイルのスキルセットをそれほど持っていない.NETの開発者でも、Xamarinを使えば、すばらしいモバイルアプリを作ることができるという。さらに、Visual Studio Mobile Centerも新しくなり、モバイルアプリ開発者にとって必要とされる、さまざまな機能が提供される。今はプレビュー版だが、間もなく公に発表される予定だ。「今まで複数のサービスで行ってきたことをこれ一つでできるようになる」とKöster氏は誇らしげに紹介する。

 最後のフォーカスポイントはDevOps。Visual StudioファミリーではEnd to EndでDevOpsのツールを用意している。

 DevOpsの導入を検討している企業は多い。DevOpsを導入すると開発チームと運用チームの間にある文化やテクノロジの壁を取り払うことができ、作業を滞らせることなくスムーズに進められるようになるからだ。開発期間が短くなれば、コストの削減にもつながる。

DevOps導入による経済効果は大きい
DevOps導入による経済効果は大きい

 DevOps戦略は、アプリケーションに依存しているビジネスにとっては非常に重要なポイントだ。Visual Studio 2017には必要なツールが全て含まれている。ただし、全てがインストールして実行するといったソフトウェアの製品ではない。開発者への無料トレーニングや、Azureの1サービスとして存在するものもあり、さまざまな形で提供されている。

 最後にKöster氏はこう呼びかけ、基調講演を締めくくった。

 「Visual Studio 2017は、同製品のWebサイトに行くとダウンロードできる。無償バージョンもあるので、ぜひ使ってほしい。きっと全ての開発者にとって、アプリケーション開発の生産性を上げる有効なツールになるはずだ」

この記事は参考になりましたか?

連載通知を行うには会員登録(無料)が必要です。
既に会員の方はを行ってください。
イベントレポート連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

中村 仁美(ナカムラ ヒトミ)

 大阪府出身。教育大学卒。大学時代は臨床心理学を専攻。大手化学メーカー、日経BP社、ITに特化したコンテンツサービス&プロモーション会社を経て、2002年、フリーランス編集&ライターとして独立。現在はIT、キャリアというテーマを中心に活動中。IT記者会所属。趣味は読書、ドライブ、城探訪(日本の城)。...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/10156 2017/05/31 14:00

イベント

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー