こんにちは、dotstudio株式会社でエンジニアリングを担当しているうこ(@harmoniko))です。
本連載ではさまざまなIoT製品を紹介していますが、ソフトウェアやサーバが専門のエンジニアの方々にとっては、これらのデバイスもまだ少し敷居が高く感じるのではないでしょうか。
そこで今回紹介するのが、「BeagleBone Green」という、小型のLinuxボードです。
BeagleBone Greenとは
BeagleBone Greenは、オープンソースハードウェアとしてbeagleboard.orgにより開発された「BeagleBone Black」というLinuxボードに、中国のSeeed Studio社が改良を加えたマイコンボードです。名刺サイズの小型マイコンボードながらLinuxが動作し、ディスプレイなどの外部接続機器を必要とせずに開発が始められます。
また、ボード本体にはセンサ接続のための規格である「Grove」端子が2基備えられていて、半田付けをせずにセンサ類を接続してセンシングを始めることができます。
BeagleBone Green
- 正式名称:BeagleBone Green(びーぐるぼーん ぐりーん)
- CPU:ARM Cortex-A8 1GHz
- メモリ:512MB DDR3
- 内蔵ストレージ:4GB eMMC(オンボードフラッシュ)
- 外部ストレージ:microSDカードスロット
- 電源:USB microB(通信兼用)
- Ethernet:搭載(10BASE-T・100BASE-TX)
- Wi-Fi:非搭載
- 映像出力:なし
- USBポート:1基
- GPIO:2列23ピン×2本
- センサ端子:Grove×2(I2C×1・UART×1)
- デバッグ用シリアルポート搭載
- OS:Debian(デフォルト)・Android・Ubuntuなど
- 税込価格:$44.00(SeeedStudio公式サイト)
USB1本で開発を始めることができるLinuxボード
有名なLinuxボードの1つにRaspberry Piがありますが、こちらは開発にあたって、まず最初にSDカードにOSイメージを書き込み、HDMI接続のディスプレイとUSB接続のキーボードとマウスを準備しなければいけません。
BeagleBone Greenは、USBケーブルでパソコンと接続するだけで最初からSSHによるログインが可能です。OSは内蔵フラッシュに書き込まれていてSDカードも不要なため、必要な周辺機器類を大幅に減らすことができます。
また、このSDカードを原因とするクラッシュ現象が発生しないため、動作も非常に安定しています。
Grove端子を標準搭載
Seeed Studio社が策定したセンサ接続のための規格である「Grove」に対応した端子が2基、標準搭載されています。従来、半田付けを行ったりブレッドボードの上などに実装しなければ動かせなかったセンサ類が、Grove端子によってボードとセンサを接続するだけで簡単に扱うことができます。
このGrove端子は、過去の本連載でも紹介した「Nefry」「Nefry BT」「Waffle」「Seeeduino」「Wio Node」にも搭載されていて、これからのIoTプロトタイピング製品にも搭載されていくことでしょう。