コミュニティ運営の「3つの原則」
次いで小島氏は、自発的にコンテンツを生成・交換・保存をするコミュニティ運営の「3つの原則」として以下を挙げました。JAWS-UGが生み出したフォロワーとして韓国や中国のAWSユーザーグループ、またAWSパートナーとしてSORACOMやJBUG(Japan Backlog User Group)等も、JAWS-UGのコミュニティ展開を参考に活動を行っています。
- オフラインファースト:オフライン起点で物事を始めてオンラインに展開していく、という流れはとても大事。
- コンテキストファースト:「これは何のための集まりか」といった共通の理解を持つことでその場が「自分ごと」になりやすい。
- アウトプットファースト:参加者ではなく発表者側にまわること、発表についても登壇だけではなくLTやツイートなどのアクションを行うことでその場が「自分たちの場」になる。
コミュニティが新しい人を巻き込んでいくという活動・展開を「ボーリングピン戦略」と小島氏は例えます。「コミュニティの人を『お客さま』として捉えるだけではいけない。大事なのは、使い方や意見をフィードバックし、多くの人に意見を展開してもらう、いわゆる『1番ピン』として情報発信していく人をいかに見つけるか。そしてどうサポートしていくかである」と強調しました。また、1番ピンとなってくれる「ロールモデル」の人、そのロールモデルの話を聞きたくて集まってくれる「フォロワー」の人、ロールモデルの人に憧れてコミュニティに集まってくれる「ワナビーズ」の人をバランスよく構成していくのもコミュニティ運営では重要だと語りました。
「1番ピン」を生み出すアウトプットの重要性
「情報発信がどれだけ大事であるか」について、小島氏はビジネス的な視点で実例を紹介しました。日本国内におけるAWSプレミアコンサルティングパートナー7社(2017年07月現在)の1社である「クラスメソッド株式会社」について言及し「AWS界隈では『ブログの会社』と呼ばれています」と紹介。
小島氏は「この会社はアウトプットがすごい」とその(呼称についての)理由を説明しました。実データの紹介とあわせて「情報を出し続けること」の重要さについて言及した上で、「出した情報は皆が知ることになり、その会社のみの情報ではなくなってしまうが、アウトプットをし続けることで、その分野において『一番詳しい人、会社なんだな』というポジションを獲得できる。その積み重ねがブランドとなり、お声掛けをいただく機会も増えていく。数と頻度は結構大事で、年に1~2度の頻度で情報公開しても響かない、Google先生は探してくれない。情報発信をし続けることでPVも増えている」とその効果・影響についても説明を加えました。
上記は企業におけるアウトプットの一例でしたが、個々のデベロッパー・エンジニアとしても同様に「1番ピン」を目指していくべきなのでしょうか? この疑問に対して小島氏は「絶対やった方が良い」と断言します。
「今は『周りからどれだけ見つけてもらえるか』というのがすごく大事な時代。発信しないと見つけてもらえない、終身雇用で安心していられない、会社が変わる可能性がある、特定の技術に依存して生きていけるというわけでもない……といったように、時代や状況は変化してきています。その変化は今後さらに加速していくでしょう。そんな中でキャリアを確固たるものにするためには、周囲に『自分は何ができるか、何が得意なのか』を知ってもらう必要があります。情報の賞味期限は非常に短くなっていますし、『その人だけが知っている』情報もほぼありません。むしろ、情報発信していないと『あなたが情報を知っていることさえ気が付かれない』という形になりかねません」と、「やるべき理由」と「やらないことによるデメリット」について持論を展開しました。
さらに小島氏は「アウトプットをすることでさらなるインプットが得られ、新たなアウトプットへとつながります」とアウトプットの作業・サイクルそのもののメリットについて述べるとともに、「アウトプットの早さと多さが顧客やベンダー、市場から『見つけてもらえる』大きな要因となり、結果的にデベロッパーとしてもキャリアの選択肢が増えることにつながります。今日のビジネス環境では『早いものが遅いものに勝つ』状況になってきています。積極的にアウトプット、情報発信を行っていきましょう」とコメントし、セッションを終えました。
