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アジャイル開発チーム発足からわずか1年でMaaSリリース! デンソーのチームビルディング【デブサミ2019】

【15-D-2】デンソーのMaaS開発~アジャイル開発で顧客との協調・チームビルディング・実装概要~

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2019/05/10 12:00

目次

インフラ管理はコード化、テンプレート化、マネージドサービス積極活用

 ここでいったん、視点をインフラ管理に向けよう。インフラ管理はアジャイル開発チーム全体が対象となる。2018年8月にはアジャイル開発チームは6つまで拡大した。限られた人数で6チームが要求するインフラを提供しなくてはならない。アジャイル開発なので構成変更に対応しなくてはならないこともある。開発メンバーがアプリケーション開発に専念できる環境が要求された。インフラチームにも生産性が求められていたことになる。

 そこでインフラ担当はインフラをコード化し、横展開が可能となるようにテンプレート化して、工数削減に努めた。またインフラを担当した冨田氏は「極力マネージドサービスを使用して、運用や保守の負担を軽減しました」と話す。

株式会社デンソー MaaS開発部 デジタルイノベーション室 SREチーム エンジニア 冨田進氏
株式会社デンソー MaaS開発部 デジタルイノベーション室 SREチーム エンジニア 冨田進氏

 インフラのコード化にはTerraformを用いた。これにより、たった1コマンドでインフラが作成可能となった。開発チームに提供されるインフラは個別カスタマイズした環境ではないため、インフラ構築時の設定ミスをなくし、「インフラは問題ない。アプリケーションを調べよう」といった具合に問題を切り分けることができるようになった。複雑性を排除することはトラブルシューティングにも役立つ。

 アプリケーションのデプロイには、AWS Elastic Beanstalkを使うことにした。マネージドサービスなので構成管理の手間を減らし、障害発生時には自動復旧を頼ることができる。インフラ管理者の負担を大きく減らすことにつながっている。

 ほかにも各種ツールやマネージドサービスがあるが、「本当に必要か。なぜ必要か」を確認しながら、できるだけ絞るように心がけたという。実際に使っているものを挙げると、ソースコード管理はBitbucket(Git)、アカウント管理はKeycloak、通知はSlack、データベースはAmazon Aurora、インフラや管理に関するものはほとんどがAWSのマネージドサービスが並ぶ。

「もう前の開発体制には戻れない」「みんなで作ると楽しい」

 mobi-Crewsは2019年1月にリリースされた。本番運用になると、サービスが止まらないための「監視」、データ量が増えても劣化しない「性能」、大事な情報を守るための「セキュリティ」が重要になる。

 こうした問題に対処するため、開発、検証、運用に強みを持つ、別チームを結成した。各プロジェクトで忘れがちな点を拾って対策し、さらにそのノウハウを横展開できるようにするためだ。

 監視については必要なメトリクスを洗い出して横展開した。性能は性能評価用の環境を用意し、定期的に性能測定し、問題があれば対策案を提示できるようにした。セキュリティについては外部機関と連携してセキュリティ評価を実施し、こちらも問題があると判断されたら対策案を示せるようにした。こうして、一般向けサービスを提供できる組織体制も整ってきた。

 最後に佐藤氏は、こうしたアジャイル開発を通じて「期待されているサービスを作っている実感があります。盤石なインフラのおかげでアプリケーション開発に専念できてうれしいです。もう前の開発体制には戻れません」と満足げに笑う。ほかにもメンバーからは「新しい技術に触れ、自分が進化しました」、「みんなで作ることがこんなに楽しいとは思いませんでした」、「みんなで解決する方式に安心感を覚えました」と喜びの声が上がっているという。

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