「WheeLog!」に組み込まれた、ユーザの心をつかむ要素
では、ここからはWSAグローバルチャンピオンを受賞したバリアフリーアプリ「WheeLog!」について解説していきたい。「WheeLog!」は、どのような機能を持っているのだろうか。

まず、車いすで通った道の情報をアプリのマップ上に引いていく走行ログという機能がある。この情報を全国のユーザ同士で共有し合うことで、「他の人が車いすで通っているから、安心」という指針になる。さらに、各スポットの写真などを投稿できる機能もある。つぶやき機能という、ユーザ同士のクローズドなSNSも有している。
ナノコネクトは一般社団法人WheeLogと共同で「WheeLog!」の企画・開発・運用を行っている。では、ナノコネクトはどのようにして「WheeLog!」にゲーミフィケーションを組み込んだのだろうか。「開発においてこだわったのは、成長の可視化とエンターテイメント性による利用促進・拡散」と仲氏は強調する。
まず、成長の可視化について。「WheeLog!」内には、マイスター機能というものがある。これは、ユーザがサービスの利用をくり返していき、一定の基準を満たすと、階級が上がり報酬がもらえるという機能だ。ここで使われているのが、前述の「ヴィジュアライズ」「ゴール設定」「リワード」「デザイアー」などの要素である。
さらにステータスの可視化として、アプリを立ち上げると「前回ユーザがログインしてから、スポット数や走行ログがどれほど増えたか」を表示してくれる。これにより、サービス全体がどんどん成長していることがわかり、ユーザの「また使ってみたい」という興味・関心を引けるという。
さらに利用促進・拡散のため、エンタメ距離換算という機能も導入している。「WheeLog!」では車いすで走った距離を測定してくれるが、その際に「今日の走行距離はキリンの首何頭分です」「トイレットペーパー何ロール分です」などユニークな方法で換算してくれる。そうした内容がランダムで登場することで、ユーザは何が表示されるかを楽しみにアプリを利用してくれる。また、表示された内容を外部SNSに投稿できる仕掛けも施している。
「ゲーミフィケーションは、サービスの価値を正しく理解し、ユーザをもてなして、価値に到達させるための手段です。ゲーミフィケーションは大きなポテンシャルを秘めています。私たちは、そのすごさを関西から世界へ広めていきたい。世の中をもっと面白く変化させていきたいと考えています」
お問い合わせ
株式会社ナノコネクト