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世界一の賞を獲得したアプリのひみつ! 魅力を高めるゲーミフィケーションの導入事例【デブサミ2019関西】

【B-6】ゲーミフィケーションエバンジェリストがささやく、 世界一の賞を獲得したワクワクするアプリのひみつ♥

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2019/10/23 12:00

 株式会社ナノコネクトが開発を担った、一般社団法人WheeLogが運営するバリアフリーアプリ「WheeLog!」。本アプリが国連後援のWSAワールドサミットアワードにおいて、世界一となるWSAグローバルチャンピオンを受賞した。「WheeLog!」のユーザ体験向上には、ゲーミフィケーションが大きく寄与している。そしてナノコネクトは、ゲーミフィケーションをアプリ開発に取り入れるスペシャリストの企業である。本セッションでは、世界一を受賞したサービスの開発秘話やゲーム理論を活用する同社のノウハウを生かし、ワクワクするアプリやサービスをつくるためのコツを、ゲーミフィケーションエバンジェリストの仲 功児氏が解説する。

目次

ゲーミフィケーションを構成する12の要素とは?

株式会社ナノコネクト ゲーミフィケーションエバンジェリスト 仲 功児氏
株式会社ナノコネクト ゲーミフィケーションエバンジェリスト 仲 功児氏

 仲氏はまず、デブサミ2019 関西のテーマ「Far Together!」にちなみ、アフリカのことわざである「Fast alone, Far together(早く行きたければひとりで行け。遠くに行きたければみんなで行け)」が記載されている2枚の絵を表示した。

仲氏が提示した2枚の絵
仲氏が提示した2枚の絵

 読者のみなさんはこの画像を見たとき、無意識のうちに「2枚の絵の違いは何だろう?」と思ったのではないだろうか。何もルールは言い渡されていないのに、だ。仲氏は「ここに、今回お話しするゲーミフィケーションの秘密が隠されています」と前置きした。

 その直後、会場の照明が暗くなり、小気味の良い音楽をバックにオープニングムービーが流れる。観客の心をつかむ演出がなされた後、仲氏は説明を続けた。

 「ゲーミフィケーションとは、課題の解決やサービスの向上に、ゲームデザインの技術やメカニズムを利用することです。ゲームは生活に必須なものではありません。にもかかわらず、私たちは夢中になってゲームを遊びますよね。それは、『いかにユーザに使ってもらうか』という工夫がたくさん含まれているからなんです」

 ゲーミフィケーションを構成する要素について仲氏は話を続ける。一般的には、「課題」「報酬」「交流」があると人はサービスに夢中になりやすいと言われている。だがナノコネクトは独自の調査・研究を進め、「ゲーミフィケーションを構成するのは12の要素である」と提唱している(注:かつて同社はゲーミフィケーションの10の要素を提唱していたが、研究を重ねて統廃合し整理した結果、12要素になった)。12の要素を図にまとめると以下だ。

ナノコネクトが提唱するゲーミフィケーション12の要素
ナノコネクトが提唱するゲーミフィケーション12の要素

 大きく分けると、左側のメカニクスが「サービスそのものの核となるロジック部分」、右側のUI/UXが「ユーザにどう表現して伝えていくか」を指す。また、下部にあるコンセントレーションが「サービスに集中させる要素」、上部にあるエンターテインが「楽しませる要素」である。コンセントレーションの5要素は、サービスに必ず必要なものだ。それぞれの要素を順に見ていこう。

コンセントレーション「サービスに集中させる要素」

 「1.ペイン排除」は、「アプリの動作が重たい」「容量が大きすぎてダウンロードできない」など、サービスの内容とは関係のないストレスを徹底的に排除することを指す。「2.レベルデザイン」は、ユーザが習得しやすい難易度のデザインにすること。簡単に言えば徐々に難しくしていく、ということだが、それだけでは一辺倒でつまらなくなるため、適度な起伏が必要となってくる。

 「3.ゴール設定」は、達成すべき目的を明確にすること。かつ、ゆくゆくはユーザ自身に目的を決めてもらえるようにデザインすること。サービスを利用し始めたばかりのユーザは何をすべきかわからない。そのため、すべきことを明確に指示してあげる必要がある。だが、慣れてきたユーザは、自分で決めたゴールの方が達成しがいがあるのだ。

 「4.ヴィジュアライズ」は、さまざまな情報の見える化をすること。「5.インターフェース」は、直感的に理解でき、自分で操作をしている感覚があるインターフェースになっているかどうか。いわば、サービスの触り心地を規定するものだ。

エンターテイン「楽しませる要素」

 エンターテインの5要素は、ユーザを楽しませるためのもの。必須ではないが、これらの要素があることでユーザがサービスに夢中になりやすくなる。こちらも順に見ていこう。

 「1.デザイアー」は、欲しいと思わせる仕掛けを組み込むというもの。例えばロールプレイングゲームなどで、渡れない川の向こうに村や城が見えたとき「どうやったら行けるんだろう。なんとかして行ってみたい」と思った経験のある方もいるだろう。このように「○○をもっと知りたい、使いたい」と思わせるような仕組みを取り入れることが重要なのだ。

 「2.ファーストキャッチ」は、一言で表すと「つかみ」だ。サービスの冒頭でユーザに愛着を持ってもらうための仕掛けである。「3.コミュニケーション」は、他ユーザと交流してもらうことで、使い続けてもらうための仕組み。「4.リワード」は、頑張っているユーザに対するご褒美である。「5.ディレクション&エフェクト」は、サービスに没頭してもらうための、気持ちのいいエフェクトやサウンド、サプライズ要素などだ。

 「ファーストキャッチには時間制限があり、160秒以内にユーザの心をつかまなければ離脱の可能性が大きくなります。セッション冒頭で間違い探しや照明の暗転、BGMを流すなど、いろいろなことをやりましたが、実はあれも160秒に収まるように設計していました」

ユーザ像の要素

 最後に、ユーザ像の2要素についても解説する。「1.平均ユーザレベル」は、平均的なユーザを定義してサービスを開発・調整すること。「2.チューンナップ」は、サービスをリリースした後にも引き続き平均ユーザレベルを確かめながら、適宜調整をしていくことだ。


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