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キャリアインタビュー(PR)

「チームビルディング大好き!」なEMが本音で語る、チームの結束を高める技術

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 プロジェクトマネージャーやプロジェクトリーダーにとって、プロジェクトをスムーズに進行させるために欠かせないチームビルディングや組織作り。だが、技術力には自信があっても、チームや組織作りに悩みを感じているエンジニアも多いのではないだろうか。だが、そんなチーム作りを「大好き」だと公言し、成果を上げている人物がいる。それがうるるに2019年3月に入社した、NJSS事業部 開発課 エンジニアリングマネージャーの森山宏啓氏である。エンジニアチームの行動指針「N-Devスピリット」を策定し、自走できる開発チームを作り上げてきた森山氏が、チームビルディングや組織作りのコツを明かした。

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4つのプロジェクトが進む開発チームをマネジメント

 うるるでは、主婦向けクラウドソーシング事業「シュフティ」、クラウドワーカーを活用した「CGS(Crowd Generated Service)事業」、CGSを生み出すために顧客ニーズ・市場トレンドをつかむための「BPO事業」を展開している。2006年に、代表の星を含む経営陣によるMBO(Management Buyout)にて第二創業をしたうるるは、BPO事業を手がける会社としてスタートしたが、現在の主力事業はCGS事業だ。

 CGS事業では複数のサービスが展開されているが、森山氏が所属するNJSS事業部が担当しているのが「入札情報速報サービス NJSS(エヌジェス)」だ。入札情報速報サービスとは、全国の自治体・官公庁から公示されている入札案件を検索・管理するためのサービスである。「シュフティに登録していただいている、クラウドワーカーさんをはじめとする人のチカラとテクノロジーを活用して、入札情報を収集し、契約しているお客さまが検索できるようにしています」(森山氏)

株式会社うるる NJSS事業部 開発課 エンジニアリングマネージャー 森山宏啓氏
株式会社うるる NJSS事業部 開発課 エンジニアリングマネージャー 森山宏啓氏

 現在、NJSS事業部開発課(N-Dev)では、「現行プロダクトの運用・保守」「スクレイパーのリニューアル」「NJSS本体のフルリニューアル」「リニューアル後のNJSSと現行NJSSの並行稼働のための、腐敗防止層の実装」と、4件のプロジェクトが進められている。これらすべてのプロジェクトを含め、開発課自体をN-Devの課長 萩原北斗氏とともにマネジメントしているのが、森山氏である。

 森山氏はうるるで4社目。新卒で中小のSIerに入社し、プログラマーとして会計パッケージのリニューアルなどに携わったという。2社目は、JBossを使った開発を得意とするベンチャー企業。「創業間もない会社で全員合わせても10数人。入社半年後『会社の仕組み作りをやっていてほしい』といわれ、エンジニアをやりながら人事・労務、経理、営業などの業務を兼務しました。メンバーを増やすため、会社の代表や社労士と一緒に人事制度や給与体系なども作りました」と森山氏。

 仕事自体は楽しくやりがいがあったが、自社サービスを作りたいという思いが高まり、医療・介護・福祉業界向けサービスの事業会社に転職。求人広告や人材紹介のマッチングシステムの運営、社内システムの運用を担当することになった。そして、うるるに転職する半年前ぐらいから、求人広告事業と宣伝広報事業の責任者に就任したという。「エンジニアに軸足を置きつつ、複数の職種を経験したことで、エンジニアとしての仕事に専念できるのは、それを助けてくれる人たちが周りにいるからだと気付かされました。そして2社目の時から『チーム』を強く意識するようになりました」(森山氏)

チーム作りを好きになったきっかけ

 森山氏がチーム作りを好きになったきっかけは、2社目の時にSES(System Engineering Service)として動画学習サービスのプロジェクトに参画したことだという。「そのチームはバックグラウンドや経験、得意領域もバラバラの人たちが集まっていましたが、それぞれが補完し合ってすごくチームワークが良かったんです。しかも、業務委託できている私たちメンバーに対しても分け隔てなく、社員と同じように『どうしたいの』と希望を聞いてくれるんです。まさにワンチーム。さらにチームメンバー全員が、結果や価値を考えた発言と行動をしていたので、適度な緊張感もありました。だから毎日その現場に行くのが楽しかったんです。『このチームに負けないチームをいつか作りたい』。これがチームビルディングや組織作りに携わりたいと思った原体験ですね」(森山氏)

 そして4社目となるうるるに転職。内定が決まった時、当初は「オファーを辞退するつもりだった」と森山氏は明かす。だが、取締役であり、採用の責任者である小林伸輔氏から「エンジニアとしての力量は分からないが、1人の人間として一緒に働きたいと思った」、さらに、現在共にN-Devを率いている萩原氏から「今後、拡大していくエンジニア組織を1人でまとめるのは、正直不安しかない。あなたに助けてほしい、一緒に良いチームを作りましょう」と言葉をかけてもらったことで、辞退するという考えは頭からなくなったという。「入社するか分からない内定者に、これだけ弱みを見せられる2人はカッコいい。一緒に働きたいと思った」と森山氏は語る。

翌日にはうるるへの入社を決めたという森山氏
翌日にはうるるへの入社を決めたという森山氏

行動指針「N-Devスピリット」を策定したワケ

 現在、N-Devは萩原氏、森山氏という2人のマネージャーとデザイナーを入れて22人。同社にある開発課の中で最も人数の多い組織となった。森山氏が入社した時のN-Devは、森山氏を含めたった6人の組織。その当時、同社で導入しているエンゲージメント可視化ツール「wevox」の数値は、ベンダーであるアトラエが公表している全国平均値よりは上だったが、「うるるの組織内では最下位だった」と森山氏は振り返る。この数値だけでチームの状態を判断できるわけではないとしつつも「プロジェクトの進行と共に、エンゲージメントの向上も一緒に取り組むべきだなと感じた」と森山氏は語る。ちなみにwevoxでは、人間関係、職務、自己成長、支援、健康、組織風土、理念風土、環境という指標を設け、従業員のエンゲージメントを判断している。

 こうした結果を受けて、まず森山氏が取り組んだのは、チームメンバーとの対話を通じた現状把握だ。毎週、メンバー1人ひとりと30分、1on1を実施した。さらにこれと並行して、中期経営計画の方針、事業部の方針を理解するため、開発課だけではなく、取締役事業部長や他の課の課長に説明を受ける機会を設けたという。「入社して1カ月間は情報をインプットしまくりました」と森山氏は答える。

 現状把握をする中で森山氏は、うるるはセールスドリブンで成長してきた会社のため、エンジニアは社内受託の感覚で仕事に取り組んでいた過去をつかんだ。「このような意識も変えていかなければならないと思った」と森山氏は振り返る。

 中期経営計画を遂行するため、N-Devの人数を増員し、複数プロジェクトが同時並行していくことが計画されていた。そこで森山氏が取り組んだのは、開発課の行動指針の策定だ。

 「同時並行のプロジェクトが増えると、プロジェクト間でのコミュニケーションが減り、組織の一体感がなくなることが多くなります。そこで開発課としての一体感を持つための共通指針が必要だと感じ、開発課の行動指針『N-Devスピリット』を定めることにしました」(森山氏)

 「N-Devスピリット」は「未来をポジティブに」「失敗を称え、失敗に学べ」「ムダ排除に全力を」「チームであれ」「自らがチームの主体であれ」という5つの文言で構成されている。トップダウンでこの文言を決めたのではなく、当時チームに所属しているメンバー全員で案を出し、決めていったという。

 「当時10人ぐらいメンバーがいましたが、1人5つ以上の案を出してもらい、勝ち残り形式で5つの枠を埋めていきました」(森山氏)

 集まった案は50以上。「N-Devスピリット」策定の日には、週3勤務の人やリモート勤務の人も全員、同じ時間に集まり、2時間かけてディスカッションしながら、合意形成を行っていったという。最後に残った5つの文言については、どういう思いで選んだのか、解釈などを記述し、認識合わせも行ったのち、表現統一を行った。

 この「N-Devスピリット」、チーム全員で作るだけではなくチーム全体に浸透するように、さまざまな工夫を行っている。策定直後、社内のデザイナーにポスターを作成してもらい、メンバーの目にいつも入るよう社内に掲示したこともその一例だ。また、定期的に行う1on1などの場で、繰り返し言葉にするほか、昨年11月にはステッカーを作成し、各自のPCに貼ってもらっているという。

 そして最も効果的な取り組みが、四半期単位で実施している「N-Devスピリット大賞」の表彰である。「一番N-Devスピリットを体現していたのは誰か、メンバーに投票してもらい、振り返りの場で表彰しています」(森山氏)。

 5つある文言の各部門賞も設けられており、大賞受賞者はそのすべてにおいて、メンバーからの投票が多かった人物に贈られるというわけだ。前回の大賞受賞者は新卒2年目の社員だったという。「経験が浅いにも関わらずとにかく素直でポジティブ。なのでプロジェクトリーダーとして、安心して任せられるんです」(森山氏)

作成した「N-Devスピリット」のステッカーは目に見えるところに貼っている
作成した「N-Devスピリット」のステッカーは目に見えるところに貼っている

半年で20以上の施策を実施、中には失敗も

 森山氏が行った、チーム作りのための施策はこれだけではない。「これまでに20以上の施策を実施している」と森山氏は話す。その施策の中には1年後のNJSSを語る会、半期ごとのキックオフミーティング、他の課の方針を聞く会、チーム可視化プロジェクトのほか、「価値観ポーカー」や「心理的安全性ゲーム」、メンバー間でありがとうを伝え合う「ThanksGT」という少しユニークな施策も含まれている。

 これらの施策を打ったことで、「いろいろ変化した」と森山氏は話す。例えば入社時には最下位だったwevoxのエンゲージメントの数値が、「20以上上がり、社内でもトップ5に入るようになった」という。

 もちろん劇的に数値が向上した背景には、「施策に積極的に取り組むメンバーの努力と挑戦があったから」と森山氏は付け加える。定性的な変化として森山氏がまず挙げたのは、会話の中でネガティブな発言がなくなったことである。「今の開発課はここ2年以内に入ったメンバーばかりなので、現行プロダクトに対して思い入れが少なく、ネガティブな表現をしてしまうことがあるんです。そういう表現をした時は必ず、『ポジティブに言い換えよう』と指摘しています。もちろん私自身も、ポジティブな表現をするよう意識しています」と森山氏。例えばプロジェクトの進行が遅れていても、「進行は遅れているけど、代わりにこういうことができているよね」という風な表現をみんながするようになったというのだ。

 また、昨年10月に行った下期キックオフミーティングでは、「More Value Keep Value」というテーマを発表したところ、プロジェクトのあちこちで「それはMore Value出せるんだっけ」「Keep Valueできるんだっけ」というような会話が行われるようになった。

 開発課の人数は、森山氏が入社した時の3倍以上になったが、「人数が多い割にみなさん、積極的に発言や提案をしてくれます」という。このような文化は社員だけではない。ビジネスパートナーとしてプロジェクトに参加しているエンジニアにも、この文化は浸透している。「先日、N-Dev内で技術的なLT会を開催したのですが、この会を企画・運営してくれたのは、ビジネスパートナーとしてジョインしてくれているエンジニアでした」と満足そうに語る。

 このように目に見えた効果は現れているが、中には失敗した施策もある。その一つが、「ThaksGT」である。思っていても伝え忘れてしまうなど、忘れ去られがちな感謝の気持ちをGoogle Formに投稿すると、夕方にまとまってSlackで本人に通知されるという施策だ。定量的に見える方が良いと考え、Thanksをもらった数と伝えた数を通知していたのだが、メンバーから「ランキングのようになるため、業務上、関わる人数によってThanksの少ない人が出てきてしまうので、抵抗がある」というフィードバックがきた。ThanksをSlackに送り合うことはそのままに、数値を通知することをやめたという。

「失敗を称え、失敗に学ぶ」、だからチャレンジできる

 森山氏はなぜこんなにもたくさんのチャレンジができたのか。「通勤電車の中でTwitterやFacebook、Qiitaなどをチェックし、そこで『これはいけそうだ』というものがあれば、すぐにSlackに投げ、トライします」(森山氏)

 このようなチャレンジができるのも、うるるという会社自体が挑戦を称える文化があることに加え、「失敗を称え、失敗に学べ」というN-Devスピリットの行動指針が大きく影響しているという。

 「楽しく仕事をする、思ったことをちゃんと伝えることができるチームになってきたと思います。メンバーたちには、顧客にどう価値を伝えるかを意識し、より早く、より良い価値を届けることができるようなチームになってほしいです」(森山氏)

 最後に森山氏自身の今後の展望について聞くと、「チームビルディング、組織作りを極めていきたい。エンジニア以外にも、今は部課長会のチーム作りに取り組んでいます。それが終われば、事業部へと対象を広げていき、うるるという会社をよりよくするための活動をしていきたいですね」と笑顔で答えてくれた。

株式会社うるる

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