米Microsoftは、5月19日(現地時間)に開催された開発者向けオンラインカンファレンス「Build 2020」において、「Windows Subsystem for Linux」(WSL)に関するさまざまな発表が行われた。
「WSL 2」は「Build 2019」で最初のプレビューが公開され、同プレビューではLinuxカーネルとの完全なシステムコールの互換性を実現するとともに、従来の「WSL」と比較して3~6倍の高速化を果たしている。
なお、「WSL 2」は「Windows 10 May 2020 Update」にて提供を予定している。
また、「WSL 2」の発表にあわせて、米DockerはWindows版「Docker Desktop」を「WSL 2」上にホストすることを決定しており、「Windows 10 May 2020 Update」が適用された環境に「Docker Desktop」がインストールされると、デフォルトで「WSL 2」上にて実行されるようになる。それにともない、「Docker Desktop」はWindows 10 Homeユーザーにも提供される。
今後は、「WSL」をインストールする際に使用するコマンドラインツール「wsl.exe」を改善し、インストールを容易にするほか、「WSL」の初回インストールの際にはデフォルトで「WSL 2」がインストールされるようにする。
さらに、GPUコンピューティングとして「NVIDIA CUDA」と「DirectML」のサポートも追加予定で、今後数か月以内にプレビューが開始される。「WSL 2」がGPUコンピューティングをサポートすることで、WSL環境を利用してより手軽にGPUコンピューティングの開発やトレーニングが行えるようになる。
「WSL 2」では、Linux向けGUIアプリのサポートも進められており、実現すればWindows上でLinuxのGUIアプリをシームレスに利用できる。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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