米Gartnerは、2021年のデータおよび分析テクノロジーのトレンドトップ10を、3月16日(現地時間)に発表した。
トレンド1は「よりスマートで責任感のあるスケーラブルなAI」としている。AIと機械学習の影響によって、よりスマートで、データをあまり必要とせず、倫理的に責任感があり、より回復力のあるAIソリューションが企業に求められる。よりスマートで責任感のあるスケーラブルなAIは、組織に学習アルゴリズムと解釈可能なシステムをもたらし、価値実現までの時間を短縮し、ビジネスへの影響を高められる。
トレンド2は「構成可能なデータと分析」で、オープンでコンテナ化された分析アーキテクチャによって分析機能がより構成しやすくなるとしている。構成可能なデータと分析は、複数のデータ、分析、AIソリューションのコンポーネントを活用した、洞察と行動の結び付けに役立つ。
トレンド3は「データファブリックが基盤」としている。分析を使用してデータパイプラインを常に監視するデータファブリックによって、多様なデータの設計、展開、利用をサポートする。これにより、統合にかかる時間を30%、展開を30%、メンテナンスを70%短縮する。
トレンド4は「ビッグデータからスモールデータ、ワイドデータへ」としている。新型コロナウイルス感染症の影響によって極端なビジネスの変化が発生し、大量の履歴データに基づく機械学習モデルとAIモデルの関連性が低下。人間とAIによる意思決定への要求が複雑で厳しくなった結果、D&Aリーダーはさまざまな大小の非構造化および構造化データソースの分析と相乗効果を可能にする幅広いデータと、必要なデータが少なくても有用な洞察を提供する分析技術のアプリケーションである小さなデータに依存している。
トレンド5は「XOps」としている。DataOps、MLOps、ModelOps、PlatformOpsが含まれるXOpsは、DevOpsのベストプラクティスを使用して効率と規模の経済を実現し、信頼性、再利用性、再現性を確保することを目指す。合わせてテクノロジーとプロセスの重複を減らし、自動化を可能にする。
トレンド6は「エンジニアリング意思決定インテリジェンス」としている。個々の意思決定だけでなく、一連の意思決定にエンジニアリングの意思決定インテリジェンスを適用することで、意思決定がますます自動化および強化される。これにより、D&Aリーダーによる意思決定がより正確で、繰り返し可能になり、透過的で、追跡可能になる。
トレンド7は「コアビジネス機能としてのデータと分析」としている。D&Aがコアビジネス機能に移行していく中で、D&Aは業績に合わせた共有ビジネス資産になり、中央および連合したD&Aチーム間のコラボレーション向上によって、D&Aサイロが崩壊する。
トレンド8は「グラフはすべてを関連付ける」としている。D&Aリーダーは、グラフの活用によって、コンテキストアウェアネスと複数のエンティティ間の接続と強みの性質の理解を必要とする、複雑なビジネスの質問にすばやく回答できるようになる。
トレンド9は「増強された消費者の台頭」としている。ほとんどのビジネスユーザーが事前定義されたダッシュボードと手動のデータ探索を使用することで、誤った結論や欠陥のある決定、アクションが発生する可能性がある。このことから、事前定義されたダッシュボードはユーザーのニーズに合わせてカスタマイズされ、自動化された会話型のモバイルで動的に生成された洞察に徐々に置き換えられる。
トレンド10は「エッジでのデータと分析」としている。データ、分析をはじめとするテクノロジーがますますエッジコンピューティング環境に移行しており、2023年までにデータおよび分析リーダーのおもな責任の50%以上が、エッジ環境で作成、管理、分析されるデータで構成されると予測している。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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