従来は、Rustを使用してライフタイムあるいは型をまたいだパラメータ化が可能だったが、型の値を簡単にジェネリックスにできなかったことから、「Rust 1.51.0」では任意の整数、bool型、char型の値に対してジェネリックスなコードの記述が可能になり、型と長さ全体でジェネリックスな独自の配列構造体を使えるようになっている。
また、const generics安定化の一環として、それを使用するstd::array::IntoIterも安定化し、IntoIterによって任意の配列に対して値によるイテレータを作成できるようになった。
依存関係に関しては、Cargo.tomlに新しくresolverオプションが追加され、パッケージが通常の依存関係と開発の依存関係として共有されている場合は、開発の依存関係の機能は現在のビルドに開発の依存関係が含まれている場合にのみ有効となり、パッケージが通常の依存関係とビルド依存関係またはproc-macroとして共有されている場合は、通常の依存関係の機能はビルド依存関係またはproc-macroから独立した状態に保たれる。また、パッケージがビルドグラフに複数回表示され、それらのインスタンスの1つがターゲット固有の依存関係である場合は、ターゲット固有の依存関係の機能は、ターゲットが現在ビルドされている場合にのみ有効となる。
そのほか、バックトレース機能においてdsymutilを実行することなくdebuginfoの読み込みが可能な異なるバックエンドを使用することで、dsymutil実行をスキップするためのサポートが安定し、debuginfoを含むビルドを大幅に高速化するとともに、使用するディスク容量を大幅に削減した。また、18のメソッドを安定化するなど、数多くの変更が加えられている。