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ユーザーはデザイナーだけではない 「ユーザー」と「目的」からはじめる業務アプリのデザインシステム

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始めたきっかけは会社の急成長 SmartHRの実際の取り組みを紹介

 SmartHRでは、2020年5月にデザインシステムに本格的に取り組み始め、2020年11月にプロダクトに関するコンテンツをはじめて公開しました。

 取り組み始めた背景には、以下のような「SmartHR社の急成長」が大きく影響しています。

  • 導入企業増による業態や会社規模の増加(ユーザー、ユースケースの増加)
  • SmartHRプロダクトの機能の増加(提供サービスの増加)
  • プロダクトに関わる社内メンバーの増加(開発メンバー、社内ステークホルダーの増加。1年でおよそ人数は倍に)
  • プロダクトデザイングループのメンバーの増加(デザイナーの増加。3ヶ月で3名から7名に)

 SmartHRは、プロダクトを取り巻くすべてが急激に変化している状況に直面していたのです。

 プロダクトデザイングループ内でも、当時の3名体制であれば、普段のコミュニケーションの中でデザインのパターンやルールの共有ができていましたが、メンバーの増員によりこの方法だけでは難しくなっていました。

 また、プロダクト開発では、増加していく社内のメンバーと常にコミュニケーションをしながら、プロダクトの質と生産性を落とさずに作らなければならない、といった課題も見えてきました。

 そこで、「プロダクトのインターフェースの品質に責任をもつ」というミッションを担うプロダクトデザイングループとして、プロダクトに関わるすべての人がデザインの前提を効率よく共有・参照できる「SmartHR Design System」の企画がスタートしたのです。

 まず関係するデザイナー(※)が集まり、各自の想いを話しながら、これから作るデザインシステムの目的やゴールの認識を合わせるワークショップを行いました。(※デザインシステムに明るいデザイナーで立ち上げを行い、形が見えてからエンジニアやUXライターなどを広く巻き込んでいく方法で進めています)

ワークショップの様子。当初はデザインガイドラインと呼んでいました。
ワークショップの様子。当初はデザインガイドラインと呼んでいました。

 ワークショップのアウトプットとして、私たちはデザインシステムを以下のように捉えました。ここで言語化した「目的」は、デザインシステムの導入として表現しています。

SmartHR Design Systemのユーザーは「デザイナーだけでなく、プロダクトに関わるすべての人」であり、目的は「デザインの再現性を高め、統一感のあるユーザーインターフェースと一貫した製品体験を効率よく設計できるようにすること」です。目的には、プロダクトをデザインする人のアウトプット速度や品質を向上すること、プロダクトの生産性や設計品質を向上すること、ユーザーのプロダクト体験(プロダクト利用時の一時的UX)を向上することを含みます。
SmartHR Design Systemのユーザーと目的。

 次に、デザイナーではないメンバーもユーザーであることから、プロダクトのデザインに対するスタンス(前提や大切にしていること)を伝えるための「デザイン原則」についてご紹介します。

「良いデザイン」をデザイン原則として言語化する

 デザイン原則とは、「対象にとって良いデザイン」を言語化したものです。プロダクトとして、あるいはプロダクトづくりにおいて、大切にしたい理念やスタンス(意思表示)を明記したものとも言えます。

 公開されている他社のデザイン原則をみてもさまざまな表現がありますが、デザインシステムにデザイン原則が必ず必要、というわけではありません。

  • プロダクトに関わる人を対象として、プロダクトづくりの価値観を挙げている抽象的なもの
  • プロダクトのデザインを対象として、プロダクトが目指す性質・特性などを挙げている具体的なもの

 デザイン原則を言語化することが、プロダクトデザインの一貫性や、デザインシステムのユーザー(たとえば開発チーム)の連携を助けるかどうか、その必要性を検討したうえで作成に取り組むことをオススメします。

この記事の続きは、「CreatorZine」に掲載しています。 こちらよりご覧ください。

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https://codezine.jp/article/detail/13865 2021/04/01 08:00

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