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自分の可能性を広げよう!U30デベロッパーのための「キャリアのすゝめ」

個人開発こそ若手デベロッパーの成長促進剤! 個人開発を自分のキャリアにどう結び付けたのか?――ゆずたそさんに聞いた

個人でWebサービスを開発する工夫とは?

――では、個人でWebサービスを開発するノウハウをいくつか教えてください。個人開発をはじめてみたいという人の中には、何を作ればいいか分からないという人も少なくないと思います。アイデアを出すコツなど、あるのでしょうか。

 人によっていろいろな流儀があると思いますが、私の場合は次の3つです。まず1つ目が、困りごとに注目してサービス化する方法です。「もっとこういうのが楽になったらいいな」など身の回りで困っていることを解決するサービスです。

 2つ目が、3年後にあって当然なものを作る方法です。将来のあるべき像を思い描いて、それを作っていくのも大事だと思います。

 最後に3つ目が、自分で考えずに他の人のアイデアを教えてもらう方法です。自分で出したアイデアは、どうしてもほれ込んで執着してしまう可能性があります。でも、他の人がアイデアを出してくれた場合は、そこまで執着せずに済みますし、その人が困っているからこそ出たアイデアなので、実際に使ってくれるその人のために作ることも大切ですね。

 また、私の場合、一日一個アイデアを出すということをやっていた時期がありました。そういったことを繰り返していると、「ちょっと作ってみようかな」と瞬発的に作れるようになると思います。

――個人開発のための時間はどのように捻出していて、開発期間はどのくらいかかるのでしょうか。 また、早く仕上げるコツはありますか。

 個人開発の時間は、本格的なWebサービスを作る場合であれば、仕事が終わった後に最寄りのカフェが閉まるまで、毎日やるという習慣を作っていました。ちょっとしたスクリプトであれば仕事のついでや日々の生活の合間にさっと作ってしまいます。

 開発期間については、作るものによって幅があります。本格的なWebサービスであれば、着手からリリースまで半年ほどかかりますし、小さなサービスであれば早ければ一時間ほどで完成させます。以前に、一日でWebサービスを公開するという、実況イベントをTwitterでやってみたことがあります。画面を作るところからはじめ、新しい画面ができるたびにTwitterで投稿し、一日でリリースまでこぎつけました。

 また、早く仕上げるコツとしては、機能を絞ることですね。どうしても、あれもこれも機能を追加したいと考えてしまいますが、それだといつまでたっても終わりません。まずは、ここまで作ったらリリースしようと、あらかじめ決めてしまうのが良いと思います。

――開発工程で、特に大事にしているポイントは何でしょうか。

 一番大事にしているのは最初の要件定義です。ワイヤーフレームやER図をしっかり書くことに重きを置きました。理由としては、きちんと要件定義してあれば、途中で悩まなくて済むからです。最初のほうでしっかりと要件定義しないと、やっぱりこうしたほうがいいかもと考えて迷走しやすく、なかなか完成しません。なので、なるべく最初にきちんと決めてから着手するようにしていました。

――では、個人で開発する難しさはどのようなものがあるのでしょうか。

 個人開発とはいえ、一人で全部作ろうとすると、自分の弱点がプロジェクト全体の足を引っ張ることになります。例えば、デザインが苦手だと一人で作っても、見た目の良くないサイトになって自分でも楽しくないですし、なかなか他の人に公開する勇気が持てません。

 ではどうすればいいのかと言うと、個人開発であっても一人でやることにこだわらずに、もっと周囲に手伝ってもらうという発想を持ってもいいと思います。周囲に相談したり、お金を払ってプロに作ってもらったりしてもいいです。全部を自分でやることにこだわりすぎると、ドツボにはまる可能性が高いです。クオリティを上げることを考えたとき、一人でやると限界や弱点が如実に出てくるので。

本を作ること、ノウハウを公開すること

――横山さんは、ブログでも開発の経緯やノウハウを公開していますし、個人開発の本もまとめていらっしゃいます。このようなアウトプットは、何が原動力になっているんでしょうか。

 Web業界では、先人の知恵がたくさん公開されています。私も新人の頃、ここからたくさん学ばせてもらいました。同じように恩を返していく、バトンをつないでいくことに意味があると感じているのが、元々のモチベーションです。

 あるとき、友人たちに誘われて食事に行くと、食事の席に新人の頃に読んでいた本の著者がいました。相手も、実は私のアウトプットを見ていて、「読みましたよ」と声をかけてくれました。そのときはとても嬉しかったですし、日々アウトプットを続けていれば憧れの方に近づけるチャンスもちゃんと訪れることが分かりました。

――2020年4月に『個人開発をはじめよう!』を商業出版されましたが、この本をまとめようと思った理由を教えてください。

 個人開発には、「何をどうするとうまくいくのか分からない/成功パターンがよく分からない」「成功パターンは分かっているけど着手できない、続かない」という2つの壁があると思います。

 成功パターンが分からないという課題には、そのための情報があるといいと考えました。こうやったら成功した、失敗したという情報ですね。なかなか着手できないという課題には、何かモチベーションを与えてくれるもの、奮い立たせてくれるものが必要だと考えました。

 この2つを実現するためには、”個人開発者のエピソード集”があれば役に立つのではないかと思いました。それも”本”という形で、手元にあるといいのではないかと。課題にぶつかって悩んだときや、個人開発中にやる気がなくなったときに、本を手にすることで課題の糸口が見えたり、「また頑張ろう」って作業に戻れたりする一冊があるといいんじゃないかと思い、『個人開発をはじめよう!』を作りました。

『個人開発をはじめよう!』(インプレスR&D刊)
『個人開発をはじめよう!』(インプレスR&D刊)

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この記事の著者

可知 豊(カチ ユタカ)

フリーランスのテクニカルライター 興味の対象はオープンソースの日常利用、ライセンス、プログラミング学習など。 著書「知る、読む、使う! オープンソースライセンス」。https://www.catch.jp

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

鍋島 英莉(編集部)(ナベシマ エリ)

2019年に翔泳社へ中途入社し、CodeZine編集部に配属。同志社大学文学部文化史学科卒。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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