キャリアラダーとコアスキルの定義 その具体的な要件とは
次に、キャリアラダーとコアスキルそれぞれの定義を具体的にお伝えしていきます。
キャリアラダー
ひとくちに「デザイナー」と言っても、強みや進みたい方向性は人によって違います。私たちは進む道を複数のキャリアから選択できるよう、デザイナーを大きく4つの役割に分解しました。
4つのキャリアラダーに優劣はなく、あくまでも横並びのものとなります。個人のキャリアラダーは、本人の志向性や現在の役割によって選択できます。
また4つのキャリアラダーはまったく別のものではなく、重なる部分や交わる部分が存在するため、役割の変化などによってキャリアラダーが変わることを想定しています。
たとえば、チームを通してデザインで課題解決をする役割(Lead)から、組織マネジメントを行うデザインマネージャー(Management)に変わっていくなど、なりたい姿や必要とされる役割もさまざまな経験や機会の中で変わっていくもの。そういった想いを、設計や運用面に反映しています。
コアスキル
コアスキルはVisionalのデザイナーに求めるスキルを具体的に定義したものになります。デザイナーは多岐にわたるスキルが必要ですが、その中でもとくに核(=コア)となるスキルをコアスキルとしています。
ビジネスとデザインアウトプットに関するスキルを軸に、大きく4つのカテゴリー、全部で9つのスキルを定義しています。
コアスキルはそれぞれ具体的な要件まで定義しています。
たとえば、ビジネススキルの中に含まれている「ビジネスディレクション」というスキルは「上位戦略を自身やチームの目標や施策に落とし込み、ビジネス指標上で成果を実現するスキル」と定義。
またコミュニケーションデザインスキルの中に含まれているスキル「クリエイティブディレクション」は、「クリエイティブコンセプトを定め、アイデアと方向性をもってアウトプットと成果をディレクションするスキル」としています。
コアスキルは、それまで曖昧だった「必要なスキル」を明示したものでもあり、Visionalで働くデザイナーに対しては「こういう力を身につけてほしい」というメッセージでもあります。
また、ビジネススキルのカテゴリを設け、複数のスキルを含めていることもVisionalとしての想いが反映されている部分です。事業会社であるVisionalでは、事業成長という大きな目的に社員全員で向かうため、デザイナーであってもデザイン技術と同様に、ビジネス感度やプロジェクトを推進する力を求めるという意志をここには込めています。
キャリアラダーと同様、コアスキルに対しても影響範囲の広さと掛け合わせる形で設計をしています。スキルごとの影響範囲に応じて「どういうことができる状態か」を具体的に言語化しています。
そして、これらのキャリアラダーとコアスキルを接続する形で定義しているのが、「スキル要件」です。
コアスキルは9つありますが、キャリアラダーによって強く求めるスキルとそうではないスキルがあります。発揮してほしいパフォーマンスによって、必要なスキルも変化するからです。
それぞれのキャリアラダー×影響範囲ごとに必要なコアスキルを詳細に定めており、これによって、役割ごとに求めるスキルを一覧で可視化しています。コアスキルをもとに自分が今できていることを確認し、さらに定義されているスキル要件と照らし合わせることで、キャリアにおける現在地を知ることが可能です。
成長には、自身の現状とあるべき姿の差分を認識することが重要だと考えています。このデザイナーJDでそれらが可視化されることで、身に付けるべきスキルや強み・弱みを知ることができるのです。