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2021年が元年 クリエイティブテックの現状や企業が活用するポイントを、リチカCEOの松尾さんが解説

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クリエイティブの運用で大切なのは「分解すること」

――企業がクリエイティブテックのサービスを使うと、どういったメリットを得られるのでしょうか。

今は動画をつくることができるアプリもたくさんありますし、僕も利用していますが非常に使いやすいんですよね。自身でも使うくらい良いと思うサービスがたくさんあるなかでは、動画で時間軸や情報のコントロールができないと意味がない。

ツールが使えるようになっても、その次にデザインや見せかたの質で壁にぶつかります。それを乗り越えたとしても、その次にはしっかりユーザーさんの心を動かすためにはどうしたらいいか、という壁がある。これはマーケティングでいうと、数字で示すことができる成果が出せるかという部分につながるので、ここまでやろうとすると、いちツールのユーザーではなく、動画のプロが行う仕事が求められるんですよね(笑)。このレベルに達するのには、きっと時間もかかるはずです。

だからこそ僕らは、そういった技術やノウハウふくめセットで提供しているのですが、もちろんただ導入すればよいわけではありません。

裏側で大切なのは、運用していくことです。結局動画をはじめとしたクリエイティブは、どうしても作って終わりになりがちなんですよね。今までのデザインやクリエイティブは、それが良くなかったと思っています。制作したテレビCMをそのままTwitterに流しても、テレビを見ている人と自らスクロールしてTwitterを楽しんでいる人の行動や考えかたは違う。そう考えると、当然作りかたも変えなければいけないはずです。そういう意味でも、作って終わりでは絶対にダメ。しっかり改善して運用しなければ、せっかく作ったものでも価値がなくなってしまいます。

運用していくときには、クリエイティブがどういう構造になっているかを分解することを意識すると良いと思います。どのような要素でそのクリエイティブが構成されているか、作り手はあまり意識していないことも意外と多いです。勘と経験だけでつくってしまうと、どこを改善すればよいのかわからず改善しづらくなってしまうので、まずはクリエイティブの中身を1つひとつ分けて捉える。それができれば、今回はこの要素を変えて、次はこの部分を変えてといった検証が行いやすいので、作って終わりではないクリエイティブの運用ができるのではないでしょうか。

――最後に、今後のリチカの展望についてお聞かせください。

展望ではないのですが最後にお伝えしたいのは、クリエイターさんの仕事にはもっと価値がつくべきだということです。クリエイターさんって、最終的な製品が作れる人であり、形にできる人たちですよね。さまざまな産業において価値が上がってきていますし、ようやく見直されるようになってはきましたが、中でもデジタル領域でモノをつくることができる人たちの価値はまだまだ上がりきっていないと感じています。

僕が社会人を始めた10年前は、デザイナーをはじめ、今でこそその価値が理解されているエンジニアでも当時は、そこまで注目されている職業ではなかったと思います。洋服であれば、その方がつくったことでプレミアがつくようなクリエイティブディレクターやデザイナーの方がたくさんいるように、もっと価値が高まっていくべき。クリエイターの価値向上のために、一役買えたら嬉しいですね。

また、世の中には人がわざわざつくる必要のないような制作物もたくさんあると思っているので、その部分を法則化し、再現性を高めることで、すべて自動でプロのクオリティに仕上がるようなシステムの提供を、リチカでは目指していきたいと思っています。情報を伝えたいときにそれを伝えるための予算が一定以上必要になるという構造はいびつだと感じるので、そういったところを改善するために、クリエイティブとテクノロジーの力を使っていきたいです。

その結果、ある程度機械化され低コストになったあとには、真にクリエイティブなもの、数字では表せないものが大切になる世の中がくると思っています。そちらのほうが、クリエイターは得意ですよね。

だからこそ、よくわからないけれどワクワクしたりおもしろいものが溢れる世の中になれば、情報やコンテンツはもっと楽しくなりますし、そうなれば今は嫌われがちな広告もより楽しいものになり、マーケティングの効率も良くなるはず。リチカとしても、そういった世界を目指していけたらと考えています。

――松尾さん、ありがとうございました。

この記事の続きは、「CreatorZine」に掲載しています。 こちらよりご覧ください。

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https://codezine.jp/article/detail/15400 2021/12/27 08:00

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