SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

Elastic Stackではじめるデータ分析・活用入門

データ分析を容易にするKibanaハンズオン~データを適切な形で可視化しよう~

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

Kibanaを使い、適切なグラフでデータを可視化してみよう

 最初のユースケースである「データ可視化」にチャレンジしてみましょう。前回は動作確認としてブラウザからKibana経由でElasticsearchにCSV形式のデータを投入しました。前回の手順で作成したデータを基に、グラフによる可視化にチャレンジしてみます。

 まだデータ作成を試せていないという人は前回の手順を実施してから今回の内容を試してみてください。なお、今回の記事では第1回目と同様にElasticsearchおよびKibanaのバージョン7.15.2を前提にしています。

 完成予定のダッシュボードは以下のようなイメージです。

 まずハンズオンの前半ではダッシュボードを作成し、何種類かのグラフで可視化してみましょう。また、後半ではダッシュボードの完成に向けて、絞り込みパーツによる使い勝手の向上やグラフを複製して効率よく作成していく方法、グラフの配置位置・サイズの変更方法を紹介していきます。手順の流れは以下の通りです。

  1. ダッシュボードを作成し棒グラフでランキングを可視化する
  2. 折れ線グラフで時系列データを可視化する
  3. ツリーマップで割合を可視化する
  4. データを絞り込みできるようにする
  5. 既存のグラフを複製して似たグラフを作成する
  6. ダッシュボードを仕上げて使ってみる

棒グラフでランキングを可視化してみよう

 KibanaではグラフのことをVisualizeやVisualizationと呼び、これを何個も組み合わせてダッシュボードを作成できます。

 今回は利益に着目したダッシュボードを作っていきます。それでは、まず新しいダッシュボードを作成していきましょう。

 左上のメインメニューから「Analytics」の「Dashboard」をクリックします。

 まだ何のダッシュボードも作成していないため、新しいダッシュボードを作成する誘導メッセージが表示されます。「Create new dashboard」をクリックします。

 空のダッシュボードが表示されます。ここにVisualizeを追加していきます。左上の「Create visualization」をクリックします。

 Visualize作成画面が表示されます。画面左側に今回の「sales-data」が含んでいるフィールドの一覧が表示されています。この画面はKibana Lensと呼ばれる画面で、これらのフィールド名を画面中央にドラッグ&ドロップするだけでグラフを作成できます。実際に試してみましょう。

 まずは地域別の通算利益ランキングを作ってみましょう。「Region」を画面中央にドラッグ&ドロップします。

 横軸が地域となる棒グラフが表示されました。一方で、縦軸は何がプロットされているのでしょうか。画面右側の「Vertical axis」を確認すると「Count of records」と表示されているので、単純なデータ件数がプロットされています。

 今回は通算利益を可視化したいので縦軸の可視化対象を変更します。画面左側にある「Available Fields」の中から「Total Profit」をドラッグ&ドロップし、画面右側にある「Vertical axis」の「Count of records」まで運んでください。

 すると、「Vertical axis」の内容が置き換わりました。プロットされたグラフも先ほどとは異なる形になっています。このように可視化する対象などもドラッグ&ドロップするだけで変更できます。

 「Vertical axis」の内容を確認すると、「Median of Total Profit」と表示されているので合計利益の中央値が表示されています。今回は通算の利益の合計値を表示したいので、ここの設定を変更してみましょう。「Median of Total Profit」をクリックします。

 右側の設定画面の表示が変わります。合算値に変更するには「Select a function」から「Sum」をクリックします。すると、グラフの表示が変化し、利益の中央値の棒グラフから利益の合算値の棒グラフになりました。

 しかし、縦棒グラフでは今回のケースのようにそれぞれの棒グラフが何を表しているかを指す注釈が長すぎると、全て表示されないことがあります。こういうときには全ての注釈を表示できるように横棒グラフにグラフ種類を変更しましょう。 画面下部の「Suggestions」の右から2番目にあるような横棒グラフの画像をクリックします。

 横棒グラフになり、全ての注釈が表示されるようになりました。しかし、地域は7種類存在しているはずですが、現時点では上位5種類だけが表示されており、それ以外のデータは「Other」に丸め込まれています。これを全て表示するようにしてみましょう。 画面右側の「Top values of Region」をクリックします。

 右側の設定画面の表示が変わったら、「Number of Values」を変更します。ここで、上位何件までのデータをランキング表示するか設定できます。地域は7種類なので7でも良いのですが、後々種類が追加される場合に備えて少し大きめな数値にしておくのがおすすめです。「10」にしておきましょう。

 これで地域別の通算利益ランキングが作成できました。Visualizeを保存してダッシュボードに戻りましょう。画面右上の「Save and return」をクリックします。

 作成したVisualizeが追加された状態でダッシュボードに戻れます。これが基本的なVisualizeの作成方法とダッシュボードへの追加方法となります。

次のページ
折れ線グラフで時系列データを可視化してみよう

この記事は参考になりましたか?

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
Elastic Stackではじめるデータ分析・活用入門連載記事一覧
この記事の著者

山下 城司(NTTテクノクロス)(ヤマシタ ジョウジ)

 ソフトウェア開発企業のNTTテクノクロスで、新規ソリューションを検討・開発する仕事に従事。NTTテクノクロスはElastic Stackの販売代理店業務も担い、筆者自身もデータ分析等で実際にElastic Stackをソリューションに組み込むなどして積極的な活用に取り組んでいる。Elastic社の...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/15947 2022/08/08 11:00

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング