米Gartnerは、競合他社との差別化と効率化を促進する、“知っておくべき”25のイノベーションを特集した「The 2022 Gartner Hype Cycle for Emerging Technologies」を、8月10日(現地時間)に発表した。
Gartner、“知っておくべき”25のイノベーションを挙げる「The 2022 Gartner Hype Cycle for Emerging Technologies」を発表
2022年のGartner Hype Cycleは、「没入型体験の進化・拡大」「AIによる自動化の加速」「テクノロジストデリバリの最適化」の、大きく3つのテーマに分けられている。
「没入型体験の進化・拡大」によって、個人がアイデンティティとデータをより詳細に制御できるようになり、デジタル通貨と統合可能な仮想空間やエコシステムに体験の範囲が拡大する。これらのテクノロジは、顧客にリーチして新たな収益源を強化または開拓する、これまでにない方法の提供も行う。
また、顧客のデジタルツイン(DToC)は、主流となるまであと5~10年かかると予想されるものの、組織に変革をもたらすことが期待される。
没入型体験におけるその他の重要なテクノロジとしては、分散型アイデンティティ、デジタルヒューマン、インターナルタレントマーケットプレイス、メタバース、非代替性トークン(NFT)、スーパーアプリ、Web3が挙げられている。
「AIによる自動化の加速」は、特化したAIモデルの作成を加速し、AIモデルの開発とトレーニングにAIを適用して、製品、サービス、ソリューション提供に展開することを意味しており、より正確な予測と意思決定、および期待される利益のより迅速な獲得が成果として挙げられる。
一例となるのが、自己管理型の物理システムまたはソフトウェアシステムであり、自律性、学習、代理性という3つの基本的な特性を示すドメイン境界のタスクを実行するオートノミックシステムであり、従来のAI技術ではビジネスの適応性、柔軟性、俊敏性を実現できない場合に、実装支援への貢献が期待される。なお、オートノミックシステムもDToCと同様に、普及には5~10年ほどかかるとみられる。
その他の、AIによる自動化の加速に関連したテクノロジとしては、コーザルAI、ファウンデーションモデル、ジェネレーティブデザインAIまたはAI拡張型デザイン、機械学習コード生成ツールが挙げられている。
「テクノロジストデリバリの最適化」では、デジタルビジネスを構築する際の主要な構成要素とされる、製品、サービス、またはソリューション構築コミュニティ(フュージョンチームなど)と、それらが使用するプラットフォームに焦点を当て、製品、サービス、ソリューション提供を最適化および加速し、事業運営の持続可能性を高めるフィードバックと洞察を提供する。
一例となるのが、探索的データサイエンスからプロダクションデータウェアハウジングまで、あらゆる範囲のデータワークロードを適切にサポートし、まとまりのあるデータ管理環境を提供するクラウドデータエコシステムであり、展開、最適化、維持が容易な、合理化されたデリバリと包括的な機能の提供を行う。一方で、主流となるまでには、2~5年を要するとみられる。
その他の、テクノロジストデリバリの最適化に関連したテクノロジとしては、拡張FinOps、クラウドサステナビリティ、コンピューテーショナルストレージ(CS)、サイバーセキュリティメッシュアーキテクチャ(CSMA)、データ可観測性、動的リスクガバナンス(DRG)、インダストリクラウドプラットフォーム、実用最小限のアーキテクチャ(MVA)、オブザーバビリティ駆動型開発(ODD)、オープンテレメトリ、プラットフォームエンジニアリングが挙げられている。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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