SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

Power Automate Desktopチュートリアル

無償デスクトップ自動化ツール「Power Automate Desktop」でテキストの暗号化を自動化する

Power Automate Desktopチュートリアル 第19回

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 Power Automate for Desktopは、自動化可能な作業の流れ(フロー)をデザインし、実行するためのソフトウェアです。第17回、第18回では、Azureコグニティブサービスのテキスト分析サービスのAPIの呼び出しを行うフローを紹介しました。第19回はテキストの暗号化・復号化のアクションを紹介します。

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

はじめに

 本稿ではPower Automate for Desktopのアクションとして用意されている、暗号化・復号をするサンプルを作成します。

 以前の回で、メールのパスワード、Azureのサービスにアクセスするキーなどの機密情報をコンピューターにテキストファイルに保存しましたが、そのまま保存するのは他者に漏洩する可能性があるため好ましくありません。そこで、暗号化アクションとキーを使用して暗号化したものを保存して、使用するときに同じキーで復号して、漏洩リスクを減らすことができます。

テキストファイルの内容を暗号化する

 任意のテキストファイルの内容を読み取り、[AESでファイルから暗号化]アクションで暗号化したテキストをファイルに保存するフローを作成します。実用上は、機密情報はそのままの形では保存するべきではありませんが、このサンプルでは確認のために元のテキストファイルも削除はしません。

[1]任意のテキストファイルを用意する

 ドキュメントフォルダーなどに任意の内容が入っているテキストファイルをUTF-8エンコーディングで保存します。

図:サンプルファイルの保存
図:サンプルファイルの保存

[2]新しいフローを作成する

 Power Automate for Desktopを開きます。

 トップ画面から[+新しいフロー]をクリックして、適当な名前で新規のフローを作成します。

[3]暗号化に使用するキーとして使う変数に既定値を設定する

 [変数]アクショングループから[変数の設定]アクションを配置します。

図:変数(キー)の設定アクションの配置
図:変数(キー)の設定アクションの配置
図:変数(キー)の設定アクションの設定
図:変数(キー)の設定アクションの設定

 以下の入力をして保存します。

  • 変数:%Key%
  • 値:(任意の文字列)

[4]キーを入力するダイアログを表示する

 [メッセージボックス]アクショングループから[入力ダイアログを表示]アクションを配置します。

図:入力ダイアログを表示アクションの配置
図:入力ダイアログを表示アクションの配置
図:入力ダイアログを表示アクションの設定
図:入力ダイアログを表示アクションの設定

 以下の入力をして保存します。

  • 入力ダイアログメッセージ:暗号化キーを入力してください
  • 既定値:%Key%
  • 生成された変数(UserInput):%Key%
    (生成された変数のノードを展開してUserInputをクリックすると編集できます)

[5]任意のテキストファイルを選択する

 [メッセージボックス]アクショングループから[ファイルの選択ダイアログを表示]アクションを配置します。

図:ファイルの選択ダイアログを表示アクションの配置
図:ファイルの選択ダイアログを表示アクションの配置
図:ファイルの選択ダイアログを表示アクションの設定
図:ファイルの選択ダイアログを表示アクションの設定

 以下の入力/選択をして保存します。以下の入力をして保存します。

  • ダイアログのタイトル:テキストファイルを選択してください
  • ファイルフィルター:*.txt

[6]選択したファイルの内容を暗号化する

 [暗号化]アクショングループから[AESでファイルから暗号化]アクションを配置します。

図:AESでファイルから暗号化アクションの配置
図:AESでファイルから暗号化アクションの配置
図:暗号化キーのドロップダウン
図:暗号化キーのドロップダウン
図:AESでファイルから暗号化アクションの設定
図:AESでファイルから暗号化アクションの設定

 以下の入力/選択をして保存します。

  • エンコード:UTF-8
  • 暗号化するファイル:%SelectedFile%
  • 暗号化キー:ドロップダウンで[変数としてのパスワード入力]を選択
  • (入力欄に):%Key%

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
暗号化したファイルを保存する

この記事は参考になりましたか?

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
Power Automate Desktopチュートリアル連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

WINGSプロジェクト 飯島 聡(WINGSプロジェクト イイジマ サトシ)

WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS X: @WingsPro_info(公式)、@WingsPro_info/wings(メンバーリスト)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/17357 2023/03/03 11:00

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング