プログラミング言語「Rust」の開発チームは、最新バージョンとなる「Rust 1.70.0」を、6月1日(現地時間)に公開した。Rustは、Apache License 2.0とMITライセンスで公開しているオープンソース・ソフトウェア。
「Rust 1.70.0」では、Rustのパッケージ管理ツールである「Cargo」が、Rustの公開レポジトリ「crates.io」からインデックスを読み出すときに、標準で「疎(sparse)」なプロトコルを使うようになった。これにより、インデックスの読み出し速度が向上する。疎なプロトコルは、Rust 1.68.0で新たに加わった機能だが標準機能ではなく、使用するには設定変更が必要だった。
そして、一度だけ初期化する値を扱う型である「OnceCell」と「OnceLock」が使えるようになった。OnceCellはスレッド安全ではないが、OnceLockはスレッド安全になっている。
さらに、「-Cdebuginfo」オプションを付けてコンパイラを実行すると得られるデバッグ情報のレベルに別名を使えるようになった。前バージョンまでは0、1、2の3種類の数字しか使えなかったが、今回のバージョンから「none」(0に相当)、「limited」(1に相当)、「full」(2に相当)という別名を使えるようになった。さらに、新しいレベルとしてファイル名と行番号だけを返す「line-directives-only」と「line-tables-only」も使えるようになった。このうちline-directives-onlyは、NVPTX(Nvidia Parallel Thread Execution)へのコンパイル時に使用できるものとなる。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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