「チームワークあふれる社会を創る」という理念を持つサイボウズ。今回登壇したのは、同社の 開発本部 kintone開発の上岡真也氏と、New Business部長の平野昌士氏で、それぞれが英語を公用語とするチームづくりに挑戦している。まずはkintone開発チームにベトナムのエンジニアを受け入れた上岡氏が説明した。
kintone開発チームへのベトナム拠点メンバーの受け入れに際し、英語を公用語に
kintoneは、開発の知識がなくても業務に合わせたシステムを簡単に作成できるクラウドサービスだ。サイボウズはkintoneそのものの開発・運用・販売だけではなく、プラグインや連携サービスを提供するベンダーや、お客様の業務課題をヒアリングするサポートパートナー、そして開発者やユーザーのコミュニティ構築にも注力している。kintoneのカスタマイズや、プラグインなどの連携サービスの組み合わせにより、より高度なビジネス課題の解決や幅広い業種への展開が可能となっている。
上岡氏のチームは、kintone管理者や社外のエコシステムを支えるプロダクトを開発している。元々は日本語話者のメンバーで構成されていたが、コア開発メンバーが離脱したことにより、2022年10月からベトナムのメンバーを受け入れ、これを機に業務での公用語を英語にした。
サイボウズには、チームメンバーの募集や、個人の新しいキャリアを促す「ジョブボード制度」がある。上岡氏のチームが募集をしたところ、ベトナム開発拠点のメンバーが手を挙げたのだ。サイボウズのベトナム拠点は2006年に設立し、年々規模を大きくしている。
ベトナム開発拠点のほとんどのメンバーは、グループウェア「Garoon」を開発しており、ドキュメントは英語で、コミュニケーションは逐次・同時通訳といった体制だった。kintone開発メンバーのほとんどが日本国籍で開発拠点は日本のみ。チーム内コミュニケーションやドキュメント類も日本語しかなかった。ベトナムは、日本との時差が2時間、公用語はベトナム語で、開発メンバーの英語レベルは日本のメンバーと同程度といった状況だった。
kintoneの開発部署は100名を超える規模である。全ての業務を英語化するのは困難であるため、全体ではなくチームでの英語化を目指すことにした。上岡氏のチームは、チーム内でのコミュニケーションやテキストメッセージ、打ち合わせなどを英語にする試みを行っている。チームの業務で必要なドキュメントを英語にアップデートした。一方、予算や事業戦略、カスタマーサポートの問い合わせなどは、日本語のままでの対応を考え、必要に応じて日本のメンバーが翻訳や調整の役割を担当することにした。