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AI Lab、深層学習分野の「ICLR 2024」に論文採択 ユーザー満足度と利益の最大化を両立する推薦システムを提案

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 サイバーエージェントは3月4日、AI技術の研究組織「AI Lab」に所属する研究員の富樫陸、大坂直人、森村哲郎および慶應義塾大学の岡達志教授らによる主著論文「Safe Collaborative Filtering」が機械学習分野の国際会議「ICLR 2024」で採択されたことを発表した。本論文では、レコメンデーションの品質を優先する安全なフィルタリング手法を提案している。

 「ICLR」は、「ICML」「NeurIPS」と並び、機械学習や深層学習の分野で権威ある国際カンファレンスの一つ。

 「AI Lab」では推薦システム全般に関わる幅広いAI技術を研究・開発している。なかでも、機械学習領域における研究チームでは、高度な理論研究や社内外のデータを用いた応用研究を行い、産学連携にも注力している。推薦システムは、同社の連結子会社であるAbemaTVが運営する動画ストリーミングサービス「ABEMA」をはじめとしたtoCサービスにおいて必要不可欠な技術。

 今回発表された研究では、toCサービスにおける長期的なユーザー満足度と利益を最大化する新たな推薦手法を提案している。

 toCサービスにおける推薦システムは、一般に各ユーザーの満足度の最大化を目指す。従来の推薦システムにおいては、満足度に関する指標をユーザー毎に計測し、その平均を最大化していた。一方で、指標の平均は外れ値に対して敏感であり、それらの最大化を行っても各ユーザーの満足度には大きな差が出てしまう場合があった。

 本論文では、ユーザー満足度の毀損リスクを考慮した推薦手法を新たに提案した。「Conditional Value-at-Risk(CVaR)」と呼ばれるリスク指標の最適化を検討し、その計算効率が現実のサービスへの応用で課題になることを発見した。実応用に耐えうるスケーラビリティを達成するため、CVaRに対する畳み込み型平滑化と行列分解を組み合わせた新しい手法「SAFER2」を提案している。

 SAFER2は、特にサブスクリプション型サービスの推薦機能において、各ユーザーへ料金に見合った品質を担保することなどへの貢献が期待される。

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