メンバーが自走できる環境を作るためには
本パネルディスカッションでは、各社で働くエンジニアリングマネージャーたちが、リアルな体験談をもとにマネジメントの魅力と複雑さについて語った。
モデレーターはカケハシ CTOの湯前慶大氏。スピーカーはキャディ CADDi Drawer Platform&Enabling部 Engineering Managerの西名順平氏とカケハシ Pharmacy Ops.ドメイン Engineering Managerの髙橋圭太郎氏、ENECHANGE エネルギークラウド事業部 開発マネージャーの川野邉賢二氏だ。
パネルディスカッションではまず「プロダクト・ピープル・プロジェクト・テクノロジーそれぞれの種類のマネジメントに、どれくらいの時間を割いているか」について語られた。
髙橋氏は、ピープルマネジメントが50%ほどと多めであることに言及。そのうえで「私は2023年11月に入社したばかりで、かつ前職は大手企業でありカケハシのようなスタートアップ企業とは違う環境だった。自分の考える“当たり前”が他の人にとってはそうでないだろうと思い、メンバーのことを理解するためにもコミュニケーションに時間をかけた」と語った。
一方、川野邉氏はプレイングマネージャーでありENECHANGEで数年間働いているため、「メンバーのことがわからない」という課題はそれほど発生していないと説明。マネージャーに就任したばかりの頃と現在とで意識が変わった点として「自分が設計やプロジェクト進行の方針を考えるのではなく、メンバーにやりたいことだけを伝えて自主的に考えてもらうようにした」と解説。西名氏も同意し「メンバーが自走できる環境を作ったうえで、タスクを手放していくほうがいい」と語った。
また、川野邉氏は1on1ミーティングで各メンバーの好きな領域を把握し、なるべくそれに関連したタスクを割り振るように心がけていると発言。髙橋氏も同様のことに取り組んでいると述べたうえで「事業や組織の状況によってタスクの種類は変動するので、メンバーの意志にピッタリと合ったタスクがない場合もある。その際にはアサインに悩む」と話した。