テックリードとは何を担っているのか
本パネルディスカッションでは、テックリードとしてのキャリアパスを模索する人々に向け、IT企業各社のテックリードたちが必要なスキルや考え方について語った。
モデレーターはキャディ Drawer VP of Engineeringの藤倉成太氏。スピーカーはキャディ CADDi Drawer Growth部 ID Team/Senior Software Engineerの小森裕介氏と、カケハシ Pharmacy Ops.ドメイン senior engineerの若山幸弘氏、ENECHANGE EV充電サービス事業部 エンジニアの小林友樹氏だ。
パネルディスカッションではまず「なぜマネージャーではなくテックリードになったのか?」というテーマについて語られた。小森氏は、マネージャーという選択肢を最初から考えていなかったことを説明。ものづくりが好きであるため、「好きなことをして生活したい」という気持ちを純粋に突き詰めてきたという。
若山氏は「エンジニア同士で設計や開発について、ワイワイ議論するのが好き」と語る。前職ではマネージャーを担っていたが、徐々に現場の業務から遠ざかっていくことに危機感を覚え、カケハシでは再びコードを書くことを選んだ。
小林氏は「私は技術も好きだが、それ以上にプロダクト作りが好き」と解説する。過去の職場では「より良いものづくりがしたい」という思いから、プロジェクトやプロダクトの方針策定に積極的に関与していった。その結果、徐々にマネジメントの役割を担うようになったそうだ。しかし、それにより設計・実装に携われなくなることにジレンマを感じ、ENECHANGEへの入社をきっかけに自分の活動の軸をエンジニアリングに移した。
次に藤倉氏は「テックリードに求められる役割は何か?」について問いかけた。小森氏は「プロジェクトを推進する原動力になること」と回答する。「それぞれのプロジェクトは使用する技術も一緒に働く人たちも異なっている。その状況下で、うまく周りの人々を巻き込みつつ、みんなを引っ張っていく力が求められる」と述べた。
また、若山氏は「チームに対して価値貢献するためには、広義でのマネジメントも必要に応じて担う」と話す。エンジニアリングで力を発揮するだけではなく、ステークホルダーとの交渉やスケジュール管理、人材育成など幅広い手段を用いることも重要ということだ。小林氏は「何かの機能を作る場合でも、それが何の課題を解決するのかを深く理解し、“事業”に貢献する方法を考えるべき」と説明した。