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「OpenTelemetry」で始めるオブザーバビリティ入門

将来は標準に? オブザーバビリティと可観測性のこれまでと「OpenTelemetry」の概要

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OpenTelemetryのメリット

 将来有望なプロジェクトであるOpenTelemetryですが、世の中に存在する情報は現時点では少ないかもしれません。また、コミュニティによる開発が活発であるがゆえに、頻繁にアップデートされる傾向にあります。逆に考えれば、新しい機能が追加されて使い勝手が良くなる多くの機会に恵まれていると言えます。OpenTelemetryを利用する際には、コミュニティの最新情報をウォッチし、情報入手を継続的に行うことが大切です。

 OpenTelemetryでは、データ転送プロトコルとしてOpenTelemetry Protocol (OTLP)というものが定義されています。2024年7月時点でOTLPをネイティブにサポートしているオープンソースやベンダーの数は60を超えています。

図4:OpenTelemetry - Ecosystem - Vendors
図4:OpenTelemetry - Ecosystem - Vendors

 インフラ環境やアプリケーションによらず、OpenTelemetryによって標準化された手法でテレメトリーデータを収集することができる点、そして、OTLPに対応しているソリューションの中から好きなオブザーバビリティバックエンドを選択できる点は、OpenTelemetryの大きなメリットです。

 「なぜOpenTelemetryなのか」というプロジェクトの思想がこういったメリットを提供している点も、OpenTelemetryの魅力のひとつだと思います。

まとめ

 ITシステムにとって変化が激しく困難な時代を迎えており、従来の監視手法による調査では手も足も出ないような複雑なトラブルが増えています。オブザーバビリティバックエンドによって、複雑な構成のシステムでも状況把握と効率的な調査が可能になります。オブザーバビリティを支えるOpenTelemetryの重要性は今後ますます高まっていくでしょう。

次回予告

 次回はOpenTelemetryで収集されるテレメトリーデータがどのようなものか解説します。

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この記事の著者

大森 明央(Splunk Services Japan合同会社)(オオモリ アキオ)

 Splunk Services Japan合同会社でオブザーバビリティソリューションを担当するエンジニア。インフラからアプリケーションまで広範な領域にわたり、お客様が直面する課題の解決や、オブザーバビリティツールの導入と活用に関するコンサルティングに従事。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/19826 2024/07/30 11:00

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