クラシコムに転職し、定時退社が当たり前に
クラシコムに転職したことで、4つのことが変わった。1つ目は社員の男女比が逆転したこと。「前職の男女比率は男性8割、女性2割。一方、クラシコムは女性8割、男性2割。かなり衝撃を受けました」(木村氏)
技術組織だけに限ると男女比は前職とあまり変わらないが、全社的に女性比率が高いことで、産休育休を取得することがマイノリティではない状況は新鮮だった。
2つ目は、定時退社が当たり前になったこと。「クラシコムは創業以来、残業を当たり前にしないことを全社方針に掲げてますが、その文化が技術組織含め全社に根付いていることに驚きました」と木村氏。
実際、木村氏の勤務時間は9時~18時(昼休憩1時間を含む)。クラシコムでは月の労働時間の合計が規定労働時間を満たせば、8時から19時の間で勤務時間を自由に調整できるのだ。さらに、勤務形態は月2回の出社日を除きフルリモート。木村氏が所属しているテクノロジーグループは毎朝10時に朝会を開催するが、それに間に合うのであれば、9時の始業に間に合わなくても連絡をする必要がない。おおよその1日のスケジュールは図の通り。仕事を効率良く進めたとしても、「この通りにいかない日が大半」だという。しかし、子どもの寝かしつけなどがスムーズに進んだときは、「約2時間、自由時間がとれるので、趣味のゲームを楽しんでいます」と話す。
3つ目は、目線が社外から社内へ向いたこと。前職では担当顧客の業務改善や売上拡大を支援することにフォーカスしていたが、クラシコムでは社内の業務改善や会社の売上拡大の支援にフォーカスして働いている。「前職は成果が数字として表れるので目に見えやすく、それがやりがいでした。今は社員がワンチームとなり、しっかり肩を組んで課題に取り組む楽しさがあります」(木村氏)
これを象徴するエピソードとして、クラシコムのTech Blogに倉庫管理システムのリプレースPJについて技術組織側、顧客対応側それぞれの視点で振り返る記事が掲載されている。それを読むと、ワンチームで課題に取り組む様子がわかるという。
そして4つ目は、可能な限りあるべき姿を追求すること。前職ではお客さまと約束している納期に納めることが大前提。そのためバッファを積む、スコープを調整するなど、リスクをなるべく減らす力学が働いていた。しかしクラシコムではその前提が存在しない。「自分たちのあるべき姿・ありたい姿は何か、それを実現するためにはどうすれば良いかをみんなで考える。そういったアプローチが取られています」(木村氏)
続いて木村氏は、クラシコムの技術組織の特徴についても紹介。第1にチーム意識が高いこと。チームとしてより良い成果を出すためにはどうすればよいかを一人ひとりが意識しているという。第2に合意と振り返りがしっかりしていること。「これがチーム意識の醸成につながる一要素になっていると思います」(木村氏)