はじめに
3回に渡り、OracleとFileMakerの併用を考えてきましたが、最後に最も自然だと思われる使い方を考えましょう。V9から強化された「外部データソース」を利用し、データソースにOracle、フロントのツールとしてFileMakerを使ってみます。
- 第1回 「必要なデータは現場で管理させるというアプローチ」
- 第2回 「フロントエンドツールとしてのFileMaker」
ODBCの設定
事前にODBCの設定をしておいてください(Windowsの場合、[管理ツール]-[データソース(ODBC)])。
FileMakerでは、[ファイル]-[管理]-[外部データソース]を選びます。外部データソースとは、FileMaker以外のデータソースと解釈すればよいでしょう。Oracleではなく、SQL ServerやMySQLでも構いません。DSNは、事前にWindows上で設定しておいたものを指定します。
外部データの変更機能の追加
それでは、リレーションシップグラフを使って、SQL文を記述することなく、Oracleの表を検索、更新できるようにしましょう。[ファイル]-[管理]-[データベース]を選択します。
先ほど設定したデータソースを使用して、OracleのサンプルスキーマOE(Order Entry)から、Product_Information(製品)とOrder_Items(注文明細)を選択しました。
これで、特にコーディングすることなく、Oracle上のデータをリアルタイムに検索したり、変更(追加、更新、削除)したりすることができます。
次の実行結果を見てください。FileMaker上で新規挿入した値は、そのままOracleデータベースに反映されます。SQL*Plus上で何も行っていないのに、データが1件増えていることが確認できますね。
この方法で、前回行った社内で共有するべきマスター系のデータはOracleに置いて、フロントツールとしてFileMakerを使うことが実現できました。