事例から学ぶ! 品質向上のために開発者が押さえるべきテストのポイントとは?
【13-C-3】プロセス改善による品質向上事例
リグレッションテスト自動化までの道のり
また、当初からの課題であった「リグレッションテストができていない」問題に対しては、リグレッションテストの自動化を行った。浅黄氏が調査したところ、リグレッションテストのケースが400件ほどあったが、それらを「誰が何の目的で作ったのか」「いつ実行すればよいのか」がわからなくなっていたという。
そこで、浅黄氏らが主導して一からテストを設計した。目的を明確にして、テストの意味を皆が理解している状態にしたのだ。その後、浅黄氏らヒューマンクレストが自動テストを作成し、毎日1回自動でテストがまわるフローが実現。リファクタリングも容易になった。
Agile TPIの取り組みと、リグレッションテストの自動化の実践を経て、グリニッジ株式会社では大きな変化が表れている。
「図の赤い部分がAgile TPIのチェックリストがNOだったもの、グレーが判定不可、緑がYESだったものです。2024年11月までにかなりグリーンが増えてきました」
ただし、個人とチームにおけるプロセス改善やテストスキルは向上しているが、それを組織に横展開できていない状態だ。浅黄氏は、「チームごとにプラクティスがある状態なので、組織に波及させていくことに注力している」と話し、これからも改善に取り組んでいくとしている。
最後に、浅黄氏はAgile TPIを実施するにあたってのポイントを伝授した。
チェックポイントで現状を評価したら、メンバーに共有することで、問題点に気がつくことができる。そして、優先すべきチェックポイントから、小さなステップで改善することを推奨する。「大きな変革は痛みを伴うことが大きい」と浅黄氏。3か月ごとに1~2ポイントの改善を目指すのがよいという。
また、チェックポイントをNOからYESにするための対策を実行しても、なかなかYESにならない場合もある。一つのチェックポイントに対して、立案、計画、実施、評価を繰り返していくことで地道に改善していくことが重要だ。
「品質向上のためにはプロセス改善が必須だと考えています。そのために、Agile TPIのようなフレームワークに従って実践を導入していくとよいでしょう。また、そこにはピープル、人のスキルの向上も欠かせません。プロセスと人の両方をよくするアプローチをすれば、必然的にプロダクトの品質も上がっていきます」
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岡田 果子(オカダ カコ)
IT系編集者、ライター。趣味・実用書の編集を経てWebメディアへ。その後キャリアインタビューなどのライティング業務を開始。執筆可能ジャンルは、開発手法・組織、プロダクト作り、教育ICT、その他ビジネス。
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丸毛 透(マルモ トオル)
インタビュー(人物)、ポートレート、商品撮影、料理写真をWeb雑誌中心に活動。
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