「Windsurf」を導入し、AI駆動開発を推進! その効果は?
テックファームではAI駆動開発という技術戦略を掲げ、積極的にAI活用を推進している。「GitHub CopilotやChatGPTが2022年にリリースされた当初、未来は感じられるものの、自分たちの業務の中に組み入れるかというとそうではなかった」と続ける。
だが、AIコードエディタ「Windsurf(ウィンドサーフ)」や「Cline(クライン)」が登場したことで、潮目が変わった。今までと同様の流れで、コードの作成や修正、プロジェクト構成の支援が可能になったからだ。昨年末から、これらのAIコードエディタを活用する動きが活発化。同社でもWindsurfを開発プロセスに組み込むことを決めた。
Windsurfを採用した理由について石立氏は「使いやすく、エンジニアががんばらなくてもこなれたアウトプットを出していたから」と話す。
すでに効果も実感している。一つはプロトタイピングの時間が短縮されること。「お客さまから要望をいただいて何かをつくるとき、いくつかの方法が考えつくもの。それを試すためのひな形を短時間でつくれるようになります」(石立氏)
またプロトタイピングの時間が短縮されることによって、「プロトタイピングの数を増やすこともできる。その結果、お客さまにとってより良いものができる可能性があります」(石立氏)
2つ目はより生産性の高い仕事に集中できるようになること。「プログラミングをAIに任せることで、私たちはよりお客さまの課題解決に専念できるようになる。これが生成AIを開発プロセスの中に組み入れることで得られる、最大のメリット。今後はどんどん開発プロセスの中に取り入れることをお勧めします」(石立氏)
テックファームのエンジニアは、開発プロセスに生成AIを組み入れることにとまどいや拒否反応はなかったのか。
「それはあった」と石立氏。世の中的にも、生成AIが登場した当初は「エンジニアという職種は最終的にAIにとって変わられるのではないか」という危機感があった。石立氏自身、就職系のセミナーなどで登壇すると、学生からそういった質問が多く寄せられたという。しかし、こうした疑問に対して石立氏は明確に「NO」と言い切ってきた。確かに生成されるコードに関しては、すばらしいものも出てくる。だが、そのコードが顧客の課題解決にどうつながるのかは、生成AIはコントロールできない。なぜなら、生成AIは顧客の課題を把握出来ないからだ。
そこで同社では生成AIをより良いものづくりのためのパートナーと位置づけ、顧客やプロジェクトの要望に合ったルールや指示を生成AIに与える役割をエンジニアが担うという使い方をしている。
「ルール付けはもちろん、アウトプットに対して評価することもエンジニアの大事な仕事。私たちが意図したものなのかどうかを判断し、意図しないものの場合はこうしてほしいと新たな指示を出したり、例を示したりするスキルが必要になります」(石立氏)
プログラミングであれば、エンジニアがドライバー側で生成AIがコードを書いていくという使い方だ。この場合、今までと同様、もしくは今まで以上のプログラミングスキルが必要だ。逆に新人エンジニアなど、プログラミングスキルが高くない場合、生成AIがドライバーを務めるという使い方も考えられるという。