Pythonについての基礎知識
「Python」はシンプルでイージーなプログラミング言語です。前もって「マシン語(機械語)」に変換(ビルド)した実行プログラムを処理する「コンパイル言語」に対し、Pythonは実行時にスクリプトを解析して実行するインタプリタ言語です。コンパイル言語の方が処理は高速ですが、インタプリタ言語の方がビルドする手間がかからずシンプルに開発できます。
Pythonの特徴として入れ子になる「ステートメント(プログラム文)」を必ず「インデント(字下げ)」してコーディングします。こうすることでプログラムの処理や分岐も見やすいです。また文末の「;(セミコロン)」も不要で、短いコードで書くことができます。
開発環境の準備
本連載で必要になる開発環境は、プログラミング言語としてPythonと、Webサーバとして「Apache」を含む「XAMPP(ザンプ)」と、コードエディタとして「Visual Studio Code」が必要です。
Pythonの開発環境の準備
まずはPythonをダウンロードしましょう。本連載では「Python 3.12」を使って解説します。古いバージョンでも動作すると思いますが、Pythonのプログラムのパスを指定する際に書き換えが必要になります。「Python 3.13」以降では「cgi」モジュールが標準モジュールではなくなったため「$ pip install legacy-cgi」でインストールする必要があります。
インストーラでセットアップする際は必ず「Add Python 3.12 to PATH」にチェックを入れてください。他はデフォルトのままでOKなので手順については割愛します。

XAMPPの準備
WebサーバとしてローカルにXAMPPをインストールします。XAMPPには、WebサーバのApacheと、データベースの「MariaDB(MySQL互換として動作する)」と、サーバサイド言語「PHP」「Perl」が含まれます。インストールはデフォルトのままでOKなので手順については割愛します。

Visual Studio Codeの準備
コードエディタは何でもいいのですが、筆者はVisual Studio Codeをお勧めします。Visual Studio Codeは、無料でシンプルで使いやすいコードエディタです。インストールはデフォルトのままでOKなので、手順については割愛します。

Pythonプログラミングをしてみよう!
Visual Studio Codeで適当なフォルダを開き、「index.py」ファイルを新規作成します。次のサンプルコードをコーディングしたら、「View」→「Terminal」を表示して次のコマンドを実行します。
投資におけるシンプルな複利計算をPythonでプログラミングします。100万円が1週間に1%ずつ雪だるま式に増えたらどうなるかを計算します。ここではXAMPPは使わず単純にPythonのみを実行します。
$ python -m index.py
sum = 1000000 ratio = 1 for i in range(1,53): sum += sum*ratio/100 print("1週間に"+str(ratio)+"%ずつ雪だるま式に資産が増えると"+str(i)+"週目に"+str(int(sum))+"円になる。")
サンプルコードの解説
「sum」変数は増えた資産の合計額です。
「ratio」変数は1週間の増加率として1%を代入します。
「for」文でi変数を1~53未満まで52週(約1年)繰り返します。
「print」関数で複利計算を52週分ターミナルに表示します。
おわりに
今回は本連載で開発するお絵描き掲示板Webサイト「一筆書きBBS」について説明しました。また、サーバサイドの開発に必要なPythonの基本についても説明しました。
次回は最低限知っておくべきPythonの文法についてサンプルを交えて解説します。