ベテランエンジニアが語る「この先生きのこる」方法
ここからは、当日繰り広げられたさまざまなセッションの中から、筆者やコアスタッフにとって特に印象的だったもの、学びが深かったものをご紹介します。
人生を左右する「即答」のススメ
まずは、杉山貴章さんの「人生を左右する「即答」のススメ:一瞬の判断を間違えないためにするべきこと」を紹介します(セッション概要)。

このセッションは、返事してみてから考える「即答」メソッドで、チャンスを掴んでいき、その結果としてエンジニアとしての活動が広がっていくというもの。
なぜ「即答」すべきかという点についても明確で、「時間を置くほど不安は大きくなる、その前に期待で押し切ってしまったほうがいいが、即答するために普段からの準備が必要」と杉山さんは語ります。
また、ここで言うところの「準備」は、以下のようなことがあると杉山さんは語ります。
- 「できること」を把握する
- 明らかに「できないこと・興味がないこと」も把握する
- 「できること」と「できないこと」の間を意識する
本セッションでは、併せて海外赴任の経験などもお話いただきました。「海外は美味しいご飯があるところがよい」というのは憧れるポイントでした。
引き際は自分で決める!
続いては、貴島純子さんの「引き際は自分で決める! 〜究極の選択と還暦で定年の無い企業に転職した話〜」です(セッション概要)。

他のセッションでは過去の経験から、成功/失敗要因を抽出して話すものが多かったため、「引き際」という珍しい切り口が印象的なセッションでした。
貴島さんは定年を目前とした58歳から転職活動を開始し、実際に転職をしました。昨今、「何歳まで働くか」については悩ましいポイントだと筆者も感じていますが、本セッションでは「引き際は周囲と相談して決める」と貴島さんは言います。なぜなら酔っ払いは「酔ってません」と言うし、年寄りは「まだまだもうろくしとらん!」って言うから、という非常にわかりやすい例えに「真理だ……!」と感じました。
また、貴島さんが考える「引き際」の具体的なラインとしては、客観的に「求められている価値が提供できていない」と判断されたときが辞め時、とのことでした。
また、他のスタッフからも、次のような感想が上がりました。
「どう成長していけるのかに主眼を置いて行動してきたため、そもそも引退するタイミングについてはあまり考えてこなかったが、セッション内では体力やスキルの衰えを挙げていた。
私は30代なので、『30年後もこの要素(体力やスキルの衰え)が働く上で必要なのか?』ということに興味が湧いた。というのも今後はAIの台頭により、エンジニアの作業はAIに指示を出す(マネジメントする)ことに重きが置かれるようになると考えているし、そういったマネジメントスキルはそうそう衰えるとは思えないので、引退はいつ、どのタイミングなのだろうと疑問を持った。自分にとってエンジニアリングとは何かを見つめ直すきっかけになるセッションだった」