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Developers Summit 2025 KANSAI セッションレポート(AD)

誰もが開発者となる時代へ! Postman Flowsが実現する、AI時代のビジュアルプログラミング

【A-2】The New Developer:AIはアプリケーションの作り方をどう変える?

ビジュアルプログラミングで複雑さを抽象化「Postman Flows」

 これまで述べてきたような従来の開発ワークフローの課題に対して、草薙氏は「もっとシンプルにしたい」と話す。Postmanが目指しているのは「AIによるコード開発支援を超えて、完全に統合された一体感のある(イマーシブな)体験」だ。これを実現するために、ビジュアルプログラミング(ローコード)とAIで、新規参入する開発者の障壁を取り除いていく。例えばAIプロンプト、API利用に加えて、データ変換の複雑さを抽象化したり、直感的なビジュアルフローでロジックを表現または実行したり、さらにデバッグ、反復、コラボレーションをスムーズかつ明確にしていくというアプローチで臨む。

 そのための仕組みがPostman Flowsだ。Postmanの画面左端にある「Flows」メニューを選ぶことで利用できる。ビジュアルなキャンバスにロジックのブロックを配置することでアプリケーションのワークフローを表現していくので、ホワイトボードにアイデアを描くようにアプリケーションを構築できる。画面でデザインするだけではなく、その場で実行して結果を見ることもできる。

 Postman Flowsのビジュアルプログラミングは背後の複雑さを抽象化し、アーキテクチャ、アプリケーション、ソリューションを総合的に組み合わせることができているのも大きな特徴だ。

 最もシンプルな例が下図のフローだ。「Postmanは何ができますか?」という問いをClaudeに聞いて、その回答を表示するという流れになる。画面左端(ピンク)に入力するパラメーターがあり、中央(緑)の「Send Request」はAPI呼び出しのブロックである。これは、実際にはClaude(AI)にプロンプトを送信するAPIコールになっている。その応答は緑のブロックの右端から出て、一部を取り出した上でテキストとして表示している。

Postman Flowsのビジュアルプログラミング
Postman Flowsのビジュアルプログラミング

 複雑な部分をカプセル化するために使うのがモジュールだ。フローをモジュラー型にすることで再利用を促進し、保守負担を軽減できて、関係者が理解を深めやすくなるというメリットがある。例えばインシデント対応でサポートチケットを処理するフローがあるとする(下図)。左端(緑)は顧客の問い合わせを取得し、中央(青)は問い合わせの分析処理フローをカプセル化したブロック「Analyze Customer Inquiry」で、右端(ピンク)は青の出力をSlackに送るというシンプルな流れにしている。

複雑な処理はカプセル化したモジュールで表現する
複雑な処理はカプセル化したモジュールで表現する

 Postman Flowsは、「スナップショット」という軽量のバージョン管理システムを備えている。現状で動いているフローを壊さないように、変更をしたら別のバージョンとして保存しておくことができる。またスナップショットがキャプチャするのはコードだけではなく、パラメーターや入力値の組み合わせとなる「シナリオ」もキャプチャできる。シナリオは、テストやデバッグだけではなく、デモにも使える。アプリケーションのドキュメントを見てもらうよりも、百聞は一見にしかずで、シナリオを使ったフローの動きを見せたほうが分かりやすいかもしれない。

 処理フローの設計だけではない。Postman Flowsはアプリケーションの実行や運用も統合したソリューションとなっている。フローをPostmanクラウド上にデプロイして、Postmanアプリでパフォーマンスを監視することも可能だ。フローがローカルでうまく動くことを確認できたら、「Deploy」ボタンを押すとクラウドにデプロイされ、そのフローにURLが割り当てられる。

Postmanでデプロイ
Postmanでデプロイ

 このように、Postman Flowsは従来の開発ワークフローの複雑さを払拭したローコードビジュアルプログラミングプラットフォームとなっている。草薙氏は「開発者体験をもっとシンプルにすることが未来の鍵だと考えています」と話す。サンプルとして、Slackのスレッドに埋もれたバグ報告や問題を整理してJiraのチケットに落とし込む「Slack-to-Jira チケット作成エージェント」、インシデント対応の調整と文書化を支援する「インシデント管理エージェント」が紹介された。Postman Flowsを使いこなすヒントになりそうだ。

 最後に草薙氏は「ぜひPostmanをダウンロードしてPostman Flowsテンプレートもお試しください。お試しは無料です。便利だなと思っていただけたら幸いです。無料のワークショップやAPI Nightといったイベントも開催しています」と呼びかけて講演を締めた。

Postmanコミュニティに参加しよう!

 Postman connpassグループでは、Postman主催のイベント・オンラインワークショップ情報の配信と参加登録を受け付けています。また、Postman JapanコミュニティDiscordでは、プロダクト・イベント情報や、Q&A、ユーザー同士の交流が行われています。ぜひご参加ください。

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この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

フリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Onlineの取材・記事や、EnterpriseZine/Security Onlineキュレーターも担当しています。Webサイト:http://emiekayama.net

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

タナカタイゾー(タナカ タイゾー)

 フリーカメラマン。日本写真映像専門学校卒業後、写真スタジオを経て独立。関西を拠点に広告、カタログ、雑誌の分野で活動。最近は子どもも成長し、休日は愛犬と一緒に1人と一匹でキャンプを楽しむ。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)

CodeZineは、株式会社翔泳社が運営するソフトウェア開発者向けのWebメディアです。「デベロッパーの成長と課題解決に貢献するメディア」をコンセプトに、現場で役立つ最新情報を日々お届けします。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:Postman株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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